また重たいものを見てしまった

 

ネタバレ防ぎに劇団HPから引用すれば

「1938年、江原道通川出身のソンニョンと春川出身のヨンチュンは各々の事情で日本軍に徴用され、満州、ノモンハン戦に参戦した後、ソ連軍の捕虜となってソ連軍に徴集される。ソ連、モスクワ戦で、二人は再び捕虜としてドイツ軍に捕まり、収容所で苦痛に満ちた時間を耐えた末に生き残る。しかし、またドイツ軍に徴集されることになった彼らは、フランスノルマンディー戦まで生き延びるが、連合軍(米軍)の捕虜になった後に離れ離れになる。1950年6月26日、夢にまで見た故郷の地に帰ってきたソンニョンとヨンチュンは再会する。」
のだが・・・
あの結末はあまりに救われない

 

セットも何もすべてをこそぎ落とした舞台で表現力だけで勝負の迫真のふたり芝居

音響も秀逸だった

最後まで息が抜けす、緊張感が持続した

 

しかし「戦争」とは、「国家」とは、人間からアイデンティティまで奪い、かくもその運命をもてあそぶものなのか

 

内容もセットも前日のコメディの対局であった

 

 

 

 

梅田俊明(指揮)

 

ベートーヴェン/交響曲第4番

バルトーク/管弦楽のための協奏曲

 

これが学生時代最後だから是非にとオーボエの志村樺奈ちゃんに招待された藝大シンフォニー定期演奏会

昼夜逆転で寝過し、走って走ってなんとか滑り込み

何とかいい席が確保できた


指揮は師事する学生に最も厳しいとされる梅田俊明

 

全国トップに君臨すると言っていい学生オケの良く響く奏楽堂での演奏はさすが

まあ、これだけ税金がつぎ込まれているんだから当然と言えば当然だが
最もちろんカナシムラのオーボエに注目

 

4番は最近良く聴いて、好きなベートーヴェンの交響曲の上位に躍り出てきた曲だ

冒頭いきなり遅い!

良く持ちこたえた

アンサンブルがきれいだ

弦がしっかりしているうえ、木管が素晴らしい

ファゴットは安定しているし、フルートが(第2楽章の一音のミスを除き)秀逸の出来だった

樺奈ちゃんも、この曲の陰の立役者クラリネットも良い出来栄えだった

ホルンも良く踏ん張っていた

しかし第4楽章の梅田さんの棒、新日本フィル振った時の上岡さんに似てたな

 

バルトークは音圧十分

美しい弦のアンサンブル、低音も奏楽堂の音響のおかげもあってか厚い

樺奈ちゃんも良く歌っていた、特に第1、3、4楽章

ホルンは第2楽章で乱れたが、全体としては上々の出来

総体として素晴らしい演奏だったと言える
しかしこの編成だと活躍できる人数が多いな

アマオケも演奏技術に問題があるかもしれないが、長大曲ばかり取り上げないでもっとこういう曲に挑戦したらどうだろうか

 

しかし女性がほとんどだなぁ、2nd.Vn 以外トップも皆女性だった

 

 

 

 

 

「ニューグランド赤蒸温泉ロイヤルリゾートホテル」へようこそ

 

ともかくじがたいこだわりのセット

一刷毛では出来ない壁のシミ、初演の24年前の日付けの地方紙、数人の観客からしか見えない奥のポスターと落書き、終わるまで気付かないソファの下のケロリンの洗面器 

終演後舞台に上がらせてもらい団員たちと話したが、24年前の初演時の道具を大切にとってあり、それを最大限生かしている

キャスト、スタッフ関係なくみんなで作っているそうで、自己満足とも言えるがともかく脱帽

れを見るだけでも十分言った価値ある

 

照明や音響も当を得たもので、ガラス戸の向こうに降る雪は絶妙(美術がずっと降らしていたのだとか)

 

中にはこのために5か月で15キロ減量したキャストもいて(オネエ役の関口英司)、年齢層が異なる芸達者なキャストが同じ釜の飯を食って(文字通り稽古の間2つの釜で飯を炊き続けたそうだ)作り上げた舞台

 

ネタバレは避けるが、24年前の初演時とほとんど変わっていないが色褪せないプロットと相まって上質なコメディに仕上っていた

 

まあ、今年観た中でいろいろな意味で一番凝りに凝った舞台だった

 

劇団の歴史を語るアフタートークやその後の舞台見学も面白かった