今宵は東京文化会館小ホールに全音現代音楽シリーズ“四人組とその仲間たち〜未来の探求、過去・現在を越えて”を聴きに行く
 
5人の作曲家の書き下ろし、すべて世界初演だ
全曲世界初演のコンサートというもの、(リハを除くと)世界で初めて聴いている(うちのひとり)という自己満足の面はあるが、やはり新鮮な発見と驚きに満ちている
各曲とも特殊奏法の宝石箱だったが、先日の山澤君の「演奏家に訊く」で得たカモメ奏法等の特殊奏法とハーモニクスに関する知識が大いに役立った
 
しかし、5つ並んだ譜面台に始まり、ふたりそれぞれ6つずつ並んだ曲で終わるコンサートというのも迫力がある
 
まずは金子仁美/“分子の踊り―3Dモデルによる音楽”ヴィオラのための
佐々木亮(ヴィオラ)
ステージには先の通り5つの譜面台が並ぶ
特殊奏法を次々と要求する曲
ちょっとメシアンを想起させるようにリリカルに始まり、ラヴェルのコンチェルトのようなジャジーな部分を経て独自の世界へと進んだが、極めて「聴きやすい」曲だった
 
次に西村朗/“樹霊Ⅲ”2本のバスクラリネットクラリネットのための
西澤春代、川越あさみ(バスクラリネット)
Ⅰからクラリネットにこだわっているそうだが、バスクラ2本になるとサックスでもいいのではないかという感じもする
いずれにせよ視覚的にも迫力ある曲だった
 
野平一郎/“ヴァイオリン、ヴィオラ”
松野弘明(ヴァイオリン)、篠崎友美(ヴィオラ)
これまた特殊奏法とハーモニクスに満ちていたが、ところどころ和音も感じられた
進むにつれだんだん現在の音楽シーンをあらわすような曲になってきた
 
休憩をはさんで新実徳英/ピアノのためのエチユード―神々への問いー第4巻
寺嶋隆也(ピアノ)
ピアノ独奏なせいもあってこの日もっとも「聴きやすい」曲であった

池辺晋一郎“ヴァイバランスⅩⅣ”2本のホルンのための
福川伸陽、日橋辰朗(ホルン)
それぞれ6つの譜面台が並ぶ
両者のスコアの大きさが異なるのが面白い
池辺はトークで「作曲者としては、スコア通りの演奏が出来ないのも残念だが、出来ないだろうと思う曲を易々と演奏されるのも癪だ」と言っていたが、日本のオーケストラの首席ホルン奏者トップ2あっての初演だった
曲は本当に曲芸のような演奏を要求する、これぞ「現代音楽」といった感じだった
 
かなりの疲労感とともに東京文化会館を後にした

 
 
 
 
 
またこりっちチケプレの恩恵で新宿村LIVE にてBIG MOUTH CHICKEN の“虹梅 Braggart cards〜乱れ咲き誇る〜”を観た
 
前説から殺陣の大サービス
 
まだ公演が残っているので、内容はホームページから
「坂本龍馬と花魁達の周りで起こったハートフルコメディーサスペンス
-これは恐らく幕末の話-
世間一般には、知られていない会員制の闇の郭があった
名は天狗楼
横には立派だが何年も花を咲かせない梅の木が立っていた
花札が幕府に禁止されている時代、華札を名乗る遊女たち
不可解な花魁の殺人事件
なんとしてでも、犯人を見つけようとする郭側の人間
嫉妬、憎悪、怒り、哀しみ、様々な感情渦巻く遊女たち
素性のわからぬ華を持つ客人たち
そこに、坂本龍馬が居合わせる
これは、闇の郭で起こった、
美しいが汚く、そして儚いのに永遠な物語」
 
プロットもなかなか良くできており、美術のレベルも高くてキャストも多く、いい意味で派手な舞台
殺陣やダンスも十分楽しめ、おそらく今年最後の高く評価できるエンターテイメントとなった
 
 前説とカーテンコールは撮影可
 
 
 
 
 
 
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)

ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

 

モーツァルト/歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲

J.S.バッハ/ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番

(ソリストアンコール J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番から「ルール」「ブーレ」)

シューベルト/交響曲第8番「ザ・グレート」

(アンコール シベリウス「悲しきワルツ」)
 

やっと長年の懸案だったヒラリー・ハーンを生で聴く
 
しかし、考えてみるとバッハの協奏曲にはカデンツァもない
第2番の両端楽章ではさすがと思わせてくれたもののやはりあまり目立つところがなかった
それに対してアンコールの無伴奏パルティータが豊かな音色と表情で断然素晴らしかく、何とか都合つけて無伴奏聴きに来るべきだった大いに後悔
 
それに対してザ・グレートにはノックアウトされた
この曲、中学生の頃には好きだったのだが、いつの間にかやたら繰り返しの多い退屈な曲だと思うようになって長年聴いていなかった
しかし、この押し寄せる波のような音のうねりに圧倒された
特にあの編成(8,6,6,5,3)とは思えない弦の音圧!
 
3階最前列中央というあまり座らない席で、全体の動きが良く見えたせいもあったろうが、普段はあまり見ないメンバー全員の全身を使った迫力満点の演奏
弦は全員がコンマスのよう
管ではオーボエでは良く大きな動きはよく見るが、この夜は特に感にファゴットトップの小山莉絵とクラリネットのふたり
クラリネットのふたりの動きが全く異なったのも面白かった
 
それに対してアンコールの悲しきワルツのピアニシモの何と静謐で美しかったことか!
 
 結局、意に反してソリストアンコールと後半のオケを聴きに来た結果となってしまったが、多いに満足した晩だった