岡田奏くんの劇団teamキーチェーンの劇団員公演“食卓”
 
相変わらず入場券代わりのはがきからして凝っている(ちゃんと手書きのお手紙とともに送られてきた)、手作り感満載の3話オムニバスの劇団員カフェバー公演
文字通り目と鼻の先の演技だが、皆表情豊かだった
 
まずはオカマのマスター(ママ)と男性的でモテない女性客の2人芝居
岡田君のオカマのママ最高!
そして 1人の呼びかけから集まった、かつて戦隊モノをやっていた3人が思い出話を楽しむ中で、また戦隊モノをやらないかというオファーを巡る3人芝居
最後は第1話のママのところにいつものように集まる常連たちと、小劇場で役者をやっているが、父親に反対されている若者との一種の友情に、病気の父親の訪問が絡んだ人情噺を劇団員5人全員で
 
それぞれが上手く繋がった、良く出来たオムニバスだった
 
 
 
 
終演後はカウンターで岡田君や田中友梨奈さんとゆっくり話せて良かった
 
なんともほっこりした午後のひとときを過ごした 
 
 
しかし凄いところにあったなぁ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジョナサン・ノット(指揮)
甲藤さち(フルート)
水谷晃(コンサートマスター)

ヴァレーズ/密度21.5
         アメリカ
R.シュトラウス/英雄の生涯
 
ヴァレーズ2曲とリヒャルト・シュトラウスという重たいプログラムだが、ヴァレーズの2曲の間に休憩はなく、3年前の定期演奏会でのバッハ(ストコフスキー編)の「甘き死よ来たれ」とリヒャルト・シュトラウスの「ブルレスケ」を演奏した時を想起させ、ノットらしい趣向だと思った
因みに今回は「続けて演奏されます、拍手はお控えください」のアナウンスのみであったが、3年前はあらかじめ次のような注意が喚起されていた

「お客様は、14:00までにご着席くださいますようお願い申し上げます。

①指揮者、ソリスト、オーケストラは、メトロノームが動いている中、入場し、そのまま最後のメトロノームが止まるまで待機いたします(入場の際の拍手はご遠慮下さい)。当日は開演ベルも鳴らさず、時間が来ましたら入場を制限させていただきます。早めのご着席をお願い致します。

②メトロノームの音が止むと、すぐに「バッハ/ストコフスキー:甘き死よ来たれ」の演奏が始まります。

③「バッハ/ストコフスキー:甘き死よ来たれ」の演奏終了後、続けて「リヒャルト・シュトラウス:ブルレスケ」を演奏致します。」

終演後多くのメンバーが「時間は短かったのに疲れた」と言っていたのがわかるような気がする

 
ヴァレーズの「密度21.5」は先だっての若林かをりのレク&デモで予習済み
世界で初めてプラチナ製フルートを製作したジョルジュ・バレールというフルーティストの移植に書かれた作品で、曲名はプラチナの比重が約21.5g/㎤であることに由来する
暗くなったステージ上で、ソリストの首席フルートの甲藤さちにスポットが当たる
この曲は俗に「アンチ・シランクス」とも呼ばれるが、ヴァレーズにしては柔らかで滑らかな音で滑り出した
4分程の小品だが、冒頭のモチーフが音程を変えて繰り返された後、キー・クラップの特殊奏法特殊奏法超高音域によるノイジーな展開をみせる
甲藤はこのような部分でも柔らかに音を紡いでいった
彼女はその後も全体通して活躍した
曲に関していうと、「シランクス」以降初めて無伴奏フルートのための作曲において新たな一歩を踏み出したと言われるが、「一歩」をどう捉えるかは別として、自分としてはこの2曲よりもその間に作曲されたイベールのフルートのための小品の方が好きである
 
「アメリカ」はヴァレーズがアメリカに移住して最初に書いた、事実上の「作品1」に当たる作品である
2つの打楽器群とサイレン付きの管弦楽曲で、非常に大きな編成となっている(初稿版はさらに巨大な編成だったという)
静かなアルト・フルートの演奏で始まったが、もう一人の首席の相澤政宏も加わった贅沢なフルート陣の活躍し、いくつかの楽器群を重ねてモチーフが繰り返され、やがてサイレンが登場して曲は高揚していく
神秘的な部分を過ぎると音響の風合いが様々な国のものとなっていく
アルト・フルート、ブラス、パーカッションが印象的な曲だが、相澤は極めて安定しており、管打楽器の破綻もなく、東響はノットの指揮のもとで見事な緊張感のある演奏を聴かせてくれた
 
R.シュトラウスは昔から苦手意識が強いのだが、この数年でそれが和らいできた
それも様々なオーケストラの生の良い演奏を聴くようになったからであろう
この日の「英雄の生涯」またしかり
リヒャルト・シュトラウスの最後の交響詩だが、副題に「大管弦楽のための交響詩」とあるように、演奏するには105名から成る4管編成が必要とされる
また、技術的にもオーケストラにとって演奏困難な曲の一つに数えられており、オーケストラの実力が試される曲としても知られているが、この日の東響はまたしても堂々たる演奏
序盤と終盤のフルート群を中心とする木管とホルンを中心とするブラスの活躍も見事だったが、コンマス水谷晃のヴァイオリンの音色が実に美しく、ソロをとったホルンの上間善之、イングリッシュホルンの最上峰行も素晴らしかった出来だった
 
またしてもノットと東響の幸せな蜜月は極上の時をもたらした
 
 
 
 
 
 
 

初見参の要町アトリエ第七秘密基地DE、折込みチラシを見て興味を持ってチケットを買った池の下の“灰から灰へ” を観る

ノーベル賞作家ハロルド・ピンターの、ナチスによるホロコーストの記憶に苛まれる女性を描いた作品が原作

「『灰から灰へ』の事件は、私には、水面下で起こっているように思われます。ひとりの女が溺れかけている、女は波間から片手を伸ばしている、だがそれは見えなくなる、女は他の誰かを掴もうとするが、水面上にも水面下にも誰もいない、ただ影だけが、水に映った影だけが見える、女は漂っている。この女は水没しかけている風景の中の失われた人物、他者だけのもののはずだった運命を逃れることができない、そういう人物なのです。」(ハロルド・ピンター)
という、不条理の世界

このストーリーがユニークなのはこの女性が戦後生まれの設定で、だから実際にはホロコーストの記憶を「実体験」として持っているのではないという点。自分自身が生で体験したわけでもない過去の幻影に取り憑かれた人間の姿を描くという手法を通して、ナチスによる行為の残虐性、そして非人道性を強烈に印象付けようとした作品であると、一般には理解されている。

池ノ下は寺山修司の全作品を上演するなどして数々の受賞歴がある劇団
 
最低限のセット(美しかったが)、音響(終盤まで無音だったが、最後の会話のエコーと音が記憶に残った)、照明の下でのなにやらこちらが不安になる会話によるふたり芝居だった

表情で勝負の芝居だったが、キャスト二人は好演だった

https://natalie.mu/stage/news/309200