頑張っているのに、なぜか前に進んでいない感覚が残る
ダイエットについて相談を受けていると、多くの方が口をそろえて「ちゃんとやっているつもりなんです」と話されます。
この言葉には、単なる言い訳ではなく、真剣に向き合ってきた時間や努力がにじんでいます。
ジムに通い、動画を見ながら体を動かし、食事にもある程度気を配っている。
それなのに、数週間、数か月が経っても、手応えが曖昧なまま時間だけが過ぎていく。
「このまま続けていて意味があるのだろうか」
そんな疑問が頭の片隅に残り続ける状態です。
この感覚を抱えている人は決して少数ではありません。
そして特徴的なのは、そう感じている人ほど、真面目で、指示を守り、努力を惜しまないタイプであることです。
つまり、ダイエットが遠回りになってしまうのは、意志の弱さや根性の問題ではありません。
多くの場合、「どこに意識を向けて日常を過ごしているか」という視点の話です。
「運動を増やせば何とかなる」という思い込み
ダイエットがうまく進んでいないと感じたとき、多くの人が最初に考えるのが「運動量が足りないのではないか」という発想です。
これは非常に自然な考え方で、世の中の情報もこの方向に誘導しがちです。
・週1回では足りない
・もっと汗をかくべき
・強度を上げた方がいい
こうした言葉を見聞きすると、「じゃあ、もっとやらなければ」と考えてしまいます。
ただ、ここで一度立ち止まって考えてほしいのは、運動している時間が一日の中でどれくらいを占めているかという点です。
1時間のトレーニングをしていたとしても、残りの23時間は別の時間です。
その23時間の中で、
長時間座りっぱなしになっていないか
体をねじったままスマホを見ていないか
呼吸が浅くなっていないか
こうしたことに目を向ける機会は、意外と少ないものです。
運動を増やすこと自体が悪いわけではありません。
ただ、「増やす」ことだけに意識が向くと、生活全体を見直す視点が抜け落ちやすくなります。
「特別な時間」だけを頑張ろうとする癖
ダイエットが遠回りになりやすい人ほど、運動の時間を「特別な時間」として切り分けてしまう傾向があります。
ジムに行く時間、動画を見て体を動かす時間だけが、ダイエットの時間になってしまうのです。
一方で、それ以外の時間はどうでしょうか。
仕事中の座り方、立ち方、歩き方。
家での過ごし方、ソファでの姿勢、スマホを見るときの首の位置。
こうした時間は、運動の時間よりもはるかに長く、日々積み重なっています。
「今日は運動したから大丈夫」という安心感があると、日常の癖には目が向きにくくなります。
結果として、特別な時間だけ頑張り、普段の時間は無意識のまま過ぎていく構造ができあがります。
この状態では、頑張っている感覚はあっても、生活そのものはあまり変わっていない、という印象になりやすいのです。
「正解」を探し続けてしまう思考
ダイエットが遠回りになるもう一つの要素が、「正しい方法」を探し続ける思考です。
検索すれば、無数の運動方法、食事法、成功談が出てきます。
そのたびに、
「これが正解かもしれない」
「前にやっていた方法は間違っていたのでは」
と考え、方法を切り替えていく。
情報を集めること自体は悪いことではありません。
ただ、情報が多くなりすぎると、自分の生活よりも外の基準が優先されてしまいます。
本来大切なのは、
今の生活リズムで続けられるか
仕事や家庭とのバランスは取れているか
気持ちに余裕が残っているか
こうした感覚です。
正解探しに疲れてしまうと、「何をやっても足りない気がする」状態になりやすく、ダイエットがどんどん遠回りしていきます。
短期の結果を意識しすぎることで起きるズレ
多くの人が、ダイエットに期限を設けます。
それ自体は悪いことではありませんが、期限や数字だけが先行すると、日常との間にズレが生まれやすくなります。
短期間で何かを達成しようとすると、
無理なスケジュール
詰め込みすぎた運動
我慢が前提の生活
になりがちです。
その結果、ダイエットが「生活を整えるもの」ではなく、「生活に耐えるもの」になってしまいます。
この感覚が続くと、途中で気持ちが追いつかなくなり、結果として遠回りに感じやすくなります。
日常を見る視点が入ると考え方が整理されていく
ここまでの内容に、少しでも心当たりがあれば、それは失敗ではありません。
多くの人が同じ道を通ります。
大切なのは、何かを足す前に、一度立ち止まって今の生活を見渡すことです。
運動の内容を変える前に、
頻度を増やす前に、
今の過ごし方に無理がないかを確認する。
この視点が入るだけで、ダイエットへの向き合い方は大きく変わります。
頑張り続けるのではなく、整えながら進む、という考え方です。
まとめ
ダイエットが遠回りになってしまう人には、共通する考え方の傾向があります。
それは、努力不足ではなく、意識の向け先が限られてしまっていることです。
運動だけに目を向けるのではなく、
特別な時間だけを頑張るのではなく、
日常全体を含めて捉えていく。
この視点を持つことで、ダイエットは「何かを我慢するもの」から「生活を見直すきっかけ」へと変わっていきます。
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米田貴晴