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第九回 「店長色に染まります?」


そんな仕事の中で思ったことが、店長のカラーが店のカラー言う事を身を持って経験できた時期でした。

                                                  

  つづく・・・。

店長の言う事が絶対と言う「鉄の掟」の基に、店の雰囲気が創られていきます。


その一つに、バーの雰囲気があります。マネージャーがバーマスターを務めて、後チーフにアルバイトが付い


ていました。


このマネージャー帝国ホテルのバー出身という事で、多くのカクテルファンがいらっしゃいました。中には振って


いる姿にチップを出されるお客さまもいらっしゃいました。


(駆け出しの私にはどれだけすごいかがピンと来ていませんでしたが)


マネージャーとして店長の絶大な信頼を得ている事だけは、肌で感じることができ「こう言う風になりたい」と初


めて目標が出来た事を覚えています。


普段の店長はニコニコスタッフを呼ぶ時も決して呼び捨てにはしませんが、ひとたび焼酎が入


れば「ゴジラ」全開!!なので、みんなこの人だけには逆らってはいけないと、多分本能で感じていた事だと思


います。です


から店長に苦言を言えるのはマネージャーだけでした。ちなみにマネージャーは酔うと「キングコング」でした。


(顔立ちも)


1度だけ飲み会で「ゴジラ」対「キングコング」の対決がありましたが、取り皿が飛び交うぐらいの賑やかさでし


た。(引き攣って笑しかなかった事を覚えています。)しかし、対決と言うより2人して勝手気ままに暴れたと言う


方が近いと思います。


そんな店ですから全てが「鉄の掟」になります。命令系統は自然にしっかりしていき、末端のアルバイトまで行


き届いていました。


ある時、アルバイトからの電話をマネージャーが取りました。「風邪で休ませてもらいたいんですけど」「這って


でも出てこれんのやな」ガチャ!・・・。


30分後そのアルバイトがやってきました。マネージャー「休んでよかったのに」アルバイト「大丈夫です。」


マネージャー「そう」後でアルバイトに聞いたところ「自分の存在が無くなるのではないかと思いました。」そんな


元気で「成せばなる」が通用 と言うより当たり前の時代でした。大学生のアルバイトも学校よりバイト命、店長


は部活の主将みたいに思っていたと思います。


そんな風紀?ですから接客マナーも大変評判が良くアルバイトも誇りを持って仕事をしていました。


大人の社交場と言える所でした。ただ、12月になると大人もびっくりの社交場になっていました。さすがに大阪


商人が考えるやり方は、緻密な商売でした。


12月に入ればカキ入れ時それに伴い戒厳令が敷かれます。売って売って売りまくれ!


戒厳令は外出禁止ですが、これは次のお店で使う分も使い果すまで店から出すな か 出せか・・・そういう意


味でした。【鉄の掟】です。


12月に入ってまず、500円のチャージ(ガーリックパンが付いている)にミュージャックフィーと言う(音楽代?)


500円が加算されます。


更に月半ばから1000円のオードブルが付いて?きます。? 2種類、魚系か肉系です。
(1,000円の価値はありました。)


クリスマス近くになればシャンパンハーフかフル(ランソンあたり)を勧めます。 オードブルにしてもシャンパン


にしても考えられないようなトークでお客様にオーダーさせてしまうのでした。(常に、どちらになさいますか?)


ただ、出て来る物は適正価格で、接客レベルが高いのと内装の豪華さや黒人のピアニストの弾き語りなどで当


然のごとく高い付加価値が付いてしまう?ので?・・・


まず、ごねるお客様はいらっしゃいませんでした。


会計の時も説明を求めれられれば、レシートの一項目づつを説明し「最後に当店の12月のシステムとなってお


ります。」すらすらと淀みなく説明された後に「システムです」(今 じゃ あり得ないですけど)と言われたら、もう


何も言い返すお客様はいらっしゃいませんでした。


そんな良き?時代でした。さすがに平月の倍くらいの価格になるのでお金がなくカードもないお客様もいらっし


ゃいましたが、少しも慌てず(お客様は焦っていましたが)「免許証をお持ちですか」「は? ハイ?」「お預かりし


ておきますので、後日お支払いの時にお返しいたします。」と言えば「ありがとうございます。」と安堵の雰囲気


で免許証を置いて帰られていました。


時代ですね!


お客様にとっても12月は厳しい【鉄の掟】でした。


掟=ルール=システムと、店の質の向上には欠かせない決まりごとでして、こと、教育においては事細かな指


導が配慮されていたといまさらながらに思います。


お客様を「見る」と言う事に関しても単なる感覚的にではなく、【理論的】に教えてもらったことを思い出します。


その目はまさにカメレオン?・・・。

                                                            つづく・・・。