資料請求の翌日午前中、諸々の用事を済ませつつ、葬儀会社に安置された父に挨拶に訪れていると、リンリンと携帯電話が鳴った。霊園Aからだった。
父の亡くなった日、葬儀の日、墓購入はいつ頃までにと考えているのか。資料は本日訪問して渡したいのだが、どうか。見学にも是非お越しいただきたい。
落ち着いた女性の声ではあるが、わあ、前のめり感、ハンパないね…。資料については外出中のため訪問ではなく郵便でお願いし、検討の上見学したい時は、こちらから連絡する旨を回答する。
そして午後、役所回りをしていると、家で留守番の夫からピロリンとLINEが来た。
「お墓の人が家に来たよ」
わあ…。
霊園Bが突然のピンポン、資料を夫に手渡しして帰っていったとのこと。
夕方、また別の役所で手続き中に、ピロリン。
「また別のお墓の人が来たよ」
わあ…。お次は霊園Cですか。みんな仕事熱心だね…。
確かに、お墓は、住宅以上に終の棲家、複数購入するものでもなければ、単価も高い。あちらさまも熱心になって当然なのだろう、とは思うものの。
こちらも、父を亡くして間もなく、心も身体もバタバタの極み。墓探しを可及的速やかに行いたいのは確かだが、電話と自宅訪問は正直ありがた迷惑というやつである。
2件目の訪問報告を受け、こりゃ駄目だ、と墓探しサイトのカスタマーセンターに電話をかけた。
「あの、昨夜資料請求をしましたところ、架電と訪問がひっきりなしに…(なお、電話も2、3件かかってきている)。こちら葬儀もまだでして、ちょっと対応しきれないので、資料だけ!郵便で!送っていただきたいのですが」
「それは、大変な時に失礼いたしました。各霊園に申し伝えます」
うん、霊園関係者、皆さんとても良い接客態度であったことは、明記しておかなければならないだろう。同世代か少し上と思われる方が、落ち着いた丁寧な口調で接してくださる安定感は抜群だった。こちらのキャパシティが足りなかっただけで、皆さんは特に悪くないことを申し添えたい。
なお、仕事も早いようで、その後、霊園からの接触はピタッと止んだ。フウ…。
(まだけっこう続く)