
私が子供の頃は、
田舎のお墓では花火をしていた。
小さなピンクの提灯を手に、
たくさんの人で列になって、
先に墓参りを済ませた行き交う人たちに挨拶をしながら山の上にあるお墓まで歩いた。
お墓は花火をする場所だった。
『早う行こう』『まあだ?』
『まだ暗うなかやかね。暗うなるまで待ちなさい』
西の端にある長崎は日の暮れりのが遅い。
お墓には長い時間いて、
大勢の大人が故人の昔話をしながら
子供の花火を見守っていた。
長崎のお墓にはベンチがあって、
『あんた達は墓参りに来たとか花火しに来たとかどっちね』
と言われながら賑やかに過ごしていた
『全部してしまいなさい』
花火の袋が空になるとその年の花火はおしまい。
家の回りで花火をすることはあまりなかった。