●鬼よりカワイイ2文新値
ようやく反落。日経平均もTOPIXも、東証マザーズもJASDAQも仲良く
一服。下げたといっても0.2~0.3%程度の下落率であり、調整というほどの調整
ではない。あまり連騰が続いては気味が悪いから、適度な休みは歓迎すべきとこ
ろ。
個人的には、みずほFGの昨年来高値更新が買い一巡感を呼んだのではないか、
と思っている。昨日は三菱UFJと三井住友FGが新高値となったため、この株
も今日は買い物を集めて始まり夜放れ。2月高値(219円)を2円上回る221円が寄
り直後の高値。鬼より怖いと言われる「一文新値」ではなくてよかったが、引け
にかけてマイナスに沈むという不甲斐なさ。似たようなものかもしれない。銀行
株の復活はリフレ相場の第2幕(か、第3幕)を印象づけるが、スケール感からい
うと人気が一周したような印象もある。上放れてカブセ足になったあたり、まだ
気ばかり急いているような雰囲気もする。
NY株の動きを見て、京セラやキヤノンあたりに買いが回ったことに嫌な感じを
抱く向きもあった。NYでのハイテク復活気運、為替の96円台後半となれば、動
いてもおかしくないが、市場では「誰もが買いたくなる値段だが、今の相場では
望流。値ぼれ買いして成功した例はない」との声もあった。
ストレートの嫌気されたのは鹿島の減額修正。人件費上昇に伴う工事採算の悪化
が理由だが、それが営業利益見通しを半減させるほどとは…。復興関連、国土強
靭化関連といえば主力テーマの一角だが、これではなかなか攻めきれないことに
なってくる。「鹿島個別の悪事情」との見方もあるが、「賃金上昇」も相場テー
マだけに、両立の難しさを改めて意識させられてしまう。
黒田総裁候補に続いて岩田、中曽副総裁候補への参院での所信聴取が終わった。
これで今週中にも総裁が決まることになるだろう。「来週にも臨時政策決定会合
が開かれ、大胆な政策発動が具体化する」との読みも出ているが、そうすると、
今度は材料出尽くしの虚脱感が気になってくる。「21日には公示地価の発表があ
るから、不動産株の上昇も一巡期」などとカレンダーを気にする声も。
ま、そうした気苦労も「NY株高=ドル高」となれば吹っ飛んでしまうのだが…。
<3月12日記>