17.3%安の4.48ユーロで取引を終えた。
下落ペースが急だったことから、取引時間中に5回の売買停止措置が取られた。
ウニクレディトは4日、75億ユーロの株主割当増資の価格を、権利落ち後理論株価(TERP)に対し43%のディスカウントとすると発表。
これを受け、同行の株価は4日の取引で14.5%急落していた。
確かに違和感があるかもしれませんね。日本では株主割当増資と言う事自体が殆ど行われなくなってしまったので慣れていないせいもありますが、1980年代には結構ありました。
他の増資との大きな違いは既存の株主だけを相手に増資をするので、株主構成が大きく変わる心配がないこと、それからやはり既存の株主だけにしか付与されないので株主から見ると希薄化(ダイリュージョンといいます)の心配がないこと。
更に言うと第三者割当と異なりあくまでも今の株主相手に増資をお願いするという立場をとりますので、発行価格は高くても大丈夫(希薄化しませんからね)という特徴があります。
ところが、そういう株主割当増資のはずなのに、なんと43%ものディスカウントを付けざるを得なかった。
ウニクレディトは大株主が固まってるので当然大株主との事前交渉は必要ですが、別に希薄化する訳ではないですから元来ディスカウントする必要性はあまりない。
なのに43%も下げさせられたというのは結構な衝撃な訳ですね。
株式数がどんどん増えて株主もどんどん増え、株式価値そのものが棄損する第三者割当とは元来質が違う訳ですよ。
もちろん75億ユーロというのは決して少ない金額ではありませんが、株式に転換した時にいくらくらいの株価がついているのか、と予測をした時、株主自らが現時点の価格よりせいぜい43%も下の価格でしか売れないかもよ、と思っているするとこれは何かあるんじゃないか、と疑われても仕方がないかもしれません。
当然ウニクレディトもそのあたりは認識しているよううでディスクロージャーを見ると
「ユーロ圏のソブリン債務危機の悪化が、一つあるいはそれ以上の国で自国通貨の再導入につながる可能性や、特に状況が悪化した場合にはユーロが崩壊する懸念がある」なんて書いてある。
要するに今回の増資を取り巻く問題は自分の銀行のクレジットの問題ではなく、ユーロそのものが崩壊する懸念があるから・・・・、なんて書いちゃってる訳ですよ。
ぐっちー的にはこっちのほうがびっくりだよ。
だって、イタリアの銀行自らがいくら正当性を主張するためとはいえ、ユーロ崩壊の懸念をディスクロージャーに載せるって・・・・・
また、同時にソブリン債券保有額のうち、388億ユーロがイタリア国債でこれは全体の43%にあたります、なんて事も書いてありますね。
これ自体に驚きはないし、元来であれば自国通貨建ての国債なので気にしなくていい部分なんですが、ギリシアで分かったようにこの部分もイタリア中央銀行が勝手にユーロを刷れませんからね、返済不能になる可能性もゼロとは言えない、ということでディスクロに載せている事になります。
むしろその事の方が怖い、と言えなくもないですね。
返済不能を予測していたよ、とあとでいい訳になるわけですから。
なおウニクレディトは銀行というよりは、銀行業コングロマリットみたいな属性ですが、銀行としてみると欧州圏では資本金No.1、最も巨大な資本を持っている銀行ですからね。
世界で見ても多分5、6位には入る筈。
まあ、そこの割当増資が半額になっちゃうって話だから、結構怖い話ではありますね。
ついでに昨日のフランス国債入札。
注目の10年債券は40億ユーロで3.29%が平均落札価格。前回の3.18%からみたら結構ずれました。
日本国債で10BPもずれると日経なら「急落」とか書かれるんですが、まあ、こんなもんでしょう。
しかしたかが4000億円ですよ。
10年債を1兆円入札してもびた一文動かない日本国債のすごさを再認識すべきでしょうかね。
