「母はバカだから死んだのか」-。平野達男震災復興担当相の「(津波から逃げなかったバカなやつがいます」という発言。前任の松本龍氏が「知恵を出さないやつは助けない」と発言して辞任してからわずか3カ月、被災地の思いを踏みにじる発言に、地元や識者からは、怒りを通り越して驚きあきれた声が上がった。
「おふくろは足腰が悪くて逃げたくても逃げられなかった。バカだから死んだの? 大臣、議員として以前に人としてありえない。辞職どころではすまされない」
宮城県南三陸町の無職、三浦達也さん(43)は声を荒らげた。
津波当日、母親は自宅2階にいた。「足腰が悪いから、外に逃げるより2階にいた方が安全だと思った」。しかし、母親は津波で家ごと流されて亡くなった。「なんで連れて逃げなかったの」。母親の友人に責められたこともあった。「今も悩んでつらい。あの時を知らないやつに何も言われたくない。みんな必死だった」と三浦さんは話す。
知人の消防署員は、救助に向かう途中で亡くなった。近所の自転車店の店主は、顧客の自転車を守ろうとトラックに積んでいる最中に流された。友人は妻と3歳の子を亡くし、4カ月の子はいまも見つからない。「亡くなった2万人の遺族の前で言えるの? 唖然とするしかない」。三浦さんの怒りは収まらない。
平野氏の発言があった福島県二本松市では、9月のコメの放射性物質の予備調査で国の暫定基準値ちょうどの500ベクレルのセシウムが検出され、今月6日の本調査でようやく安全が確認され、18日に初出荷が始まったばかりだった。
市内で米穀店を営む桑原賢治さん(68)は「とんでもない発言だ。言葉が軽すぎる」と驚きを隠さない。「被災地に来てくれるのは良いが、本当に地元の気持ちが分かっているのかと思う。真剣に地元の立場に立って対策に取り組んでほしい」と話した。
津波で壊滅的被害を受けた宮城県南三陸町の水産加工工場に勤めている男性(59)は「今回の震災で感じたことは、いいことでも悪いことでも、普段の生き方や本性が言葉や行動に出てしまうということ。今回の発言も被災地について思っていることの一端がつい出てしまったのではないか」と話す。
福島県と隣接し、津波被害で沿岸部が大きな被害を受けた茨城県北茨城市の元市議、松本健一郎さん(56)は「津波が来ると分かっていたら家でふんぞり返っている人はいないよ。逃げ遅れた人もいたのに…。被災者の立場を分かっていない」と嘆いた。
仙台市の会社経営、安藤哲夫さん(64)は「被災者がどれほど苦しんでいて、そのような発言でどれだけ傷つくか、自分のこととして考えないからそんな軽い発言ができるのではないか」とあきれる。
「他の国にこんな発言が伝わると思うと恥ずかしい。平野さんには『あなたがバカだ』と言いたい」と怒りを語った。
平野新大臣も超ゴーマン!!福島原発に行った有名識者を「逮捕しろ」恫喝めいた暴言で辞任した松本龍前復興担当相(60)に替わって就任、「堅実な実務家」との評もある平野達男復興相(57)に意外な“裏の顔”があった。内閣府副大臣だった4月、初めて福島第1原発に入り実情を調べた独立総合研究所の青山繁晴氏(58)に対し、権限もないのに圧力をかけたうえ、警察に逮捕までさせようとしたというのだ。
政府の原子力委員会の専門委員も務める青山氏が福島第1原発に入ったのは4月22日。津波で破壊された構内や吉田昌郎所長へのインタビューの映像はテレビや新聞などで世界に報じられ、青山氏は「事故の多くは人災による」と訴えた。
その後、内閣府の官僚から青山氏に対し、「なぜ、こんなことをしたのか」と問いただす電話があった。青山氏が「東電の許可も吉田所長の許可も得ている」と反論すると官僚がわびて収まったが、数日後に同じ官僚から「内閣府の原子力委員会担当の副大臣がお怒りだ」と電話があった。その副大臣が、元農水官僚で今年6月まで内閣府副大臣(その後に復興担当副大臣)を務めた平野氏だった。
そのとき、平野氏は官僚の隣におり、官僚に代わって電話口に出た。青山氏は「何の法的根拠と権限があってこういうことをするのか」と抗議した。専門委員は原子力委員会にアドバイスをする立場であり、「副大臣や委員会に指図を受けるいわれはない」(青山氏)ためだ。
逮捕されそうになった青山さん→


平野氏は「権限はない。ただ副大臣として聞いておきたいから聞いている」と説明。「法的根拠も権限もなく役人を使って圧力をかける。強権的だ」と怒る青山氏に「ご不快ならおわびするが東電には話を聞く」と話し、青山氏が「このやり取りはすべて明らかにする」と言うと「何でもやってくれ」と応じた。
青山氏は「私も怒鳴り声だったが、平野氏は非常に高圧的で、東電への圧力もにおわせ“恫喝官僚”そのものだった」と振り返る。
さらに驚くべき展開があったのはその後だ。青山氏は「平野氏を含む首相官邸側から、警察に『青山を逮捕しろ』と圧力をかけた事実があった」と明かす。
災害対策基本法は警戒区域への立ち入りを制限しているが、青山氏は東電や吉田所長に許可を得ており、同法に抵触することはあり得ず、警察は逮捕を拒否した。「閣僚クラスにも(逮捕に)反対する声があった」と青山氏は言う。
それにしても松本前復興相にせよ平野復興相にせよ、なぜ恫喝や圧力をかけたがるのか。青山氏は「民主党は民主主義の普遍的価値に関心が薄い」と同党の体質の問題を指摘している。
・・・一方
あなた方がマスコミを利用して、
国民を奴隷のごとく蔑ろにした扱いの方が怖いです。