毎年マーケットから『株の神様』が消える月。
しかも3日新甫だから荒れる予感。
「9月に安値をつけるよりは10月に安値をつける可能性の方が高い」のアノマリーもあり乱高下となる可能性は大。 ギリシャに起因すると思われる世界株の軟調。
根は米国不動産バブルの崩壊の余韻継続。
従って一部市場関係者のように興味本位で欧州危機を懸念するのではなく、米国金融機関と米金融当局とのつばぜり合いを監視するべきだろう。
そして悪材料としては米市場に上場する中国企業に対する会計問題調査。
『次の悪材料は中国から』の先駆けにはなって欲しくないところ。
好材料の可能性は国内企業の決算発表における急速な復調。
「上振れ」の活字が目立った今朝の日経。
セブンアイの鈴木会長は「通期営業益上振れ」。
野村不動産HDの中井社長は「今期引渡しが500戸上振れ」。
市場では為替の円高傾向などを背景に「下振れ」の声が多いが、あえて上振れを並べた訳ではなかろう。
もっとも敢えて声高に「下振れ」という経営者は少ないが・・・。
金やプラチナなどの指輪が売れている。
100万円もする時計が売れている。
10万円以上の自転車が売れている。
1万円以上のウォーキングシューズが売れている。
日経の分析は「自分が価値を認めた商品にはお金を出す」。
つまりお金がない訳ではないということになる。
TOPIXは水曜日に年初来安値を更新。
日経平均は終値ベースではわずかに踏みとどまった。
むしろ踏みとどまらずに一度終値ベースの安値を付けてくれた方が弾みが付くのだろうが・・・。
相場巧者は「買い支えでは相場は上昇しない。反発への序章は下げの主役の上値を追う事」(清水一行著『小説兜町<シマ>』)と言う。
もっともなことながら、上値を買う度胸を持った買い方不在というのが現実だろうか。
ただ、上値を買う動きさえ出てくれば「遅れてきた青年達」も慌てだすのだろうが・・・。
先週末の証券会館でのストックボイスのフォーラムは超満員。
制約された短時間の中で申し上げたのは「時間軸」。
多くの市場関係者は過去ないしは現在から未来を想定する。
だから相場観は現実の延長線上でしかない。
むしろ個人投資家さんは未来から現在および少し未来を予測したらどうかということ。
経済指標の発表やイベントのスケジュールは解っている。
直前にアレコレ詮索するよりも有効ではなかろうか。
数多くのシナリオを想定し、そのイベントを通過したら消していく方法。
過去と現在の呪縛に縛られていては、なかなか先は見えないような気がする。
スケジュールを見てみると・・・。
7日(金):米9月雇用統計
週末:F1グランプリ決勝(鈴鹿)、ポーランド総選挙
10日(月):東京市場休場(体育の日)、米国市場休場(コロンブスデー)、カナダ市場休場(サンクスギビング)、台湾市場休場(辛亥革命での国慶節)、独8月貿易収支、中国9月貿易収支
11日(火):9月国際収支、消費者態度指数、景気ウォッチャー調査、米FOMC議事録、3年国債入札、決算(アルコア)
12日(水):8月機械受注、9月工作機械受注、ファーストリテ決算、米10年国債入札、ユーロ圏8月鉱工業生産、欧州議会本会議、ブラジル市場休場(守護神祭)
13日(木):日銀金融政策決定会合議事録、米8月貿易収支、30年国債入札、イタリア国債入札
14日(金):9月マネーストック、オプションSQ、米小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数、G20財務相・中央銀行総裁会議、中国9月消費者物価・生産者物価
週末:ポルトガル2012年度予算案の提出期限、第17期中央委員会第6回全体会議(6中全会)
個別では大和ハウス(1925)に注目する。同社は住宅及び商業施設建築大手。太陽光発電機器搭載住宅など環境配慮型が好調。PER11倍台、PBR0.9倍台、信用倍率0.81倍。もう一つは夢真(2362・JQ)。昨今の建設・建築労働者不足は建築関連の賃金インフレへの一里塚。その意味では建設現場の施工管理技術者派遣が主力の同社の動兆も理解できる。震災直後にいち早く仙台に営業所を開設したことが結実しそうな気配になってきた感。その他、新神戸(6934)、丸井(8252)にも期待感。