[北浜 流一郎先生の株式コラム 02月10日号]
特に好材料があるとは思えないのに上昇銘柄が続出はなぜ?
株には説明のつかない上がり方もある。
米国市場が絶好過ぎる動きです。東京市場もそれに追随中であり、日経平均株価は次第に水準を高め、2月9日には10701.92円の高値がありました。
注目したいのは欧州財政・金融不安、中国の利上げ、エジプトの反政府運動など懸念材料が解消していない状況で着実高したこと。背景にあるのはもちろん米国市場の休みなき上昇です。日米ともに前述した懸念材料があり、多くのアナリストたちが三題噺のようにこれらの材料を持ち出すのに、なぜ米国市場は上がり続けているのか。
なんと言っても大きいのは政府による大型追加景気対策ですが、目先の材料としては雇用情勢の改善です。
日本では雇用関連のデータが市場を大きく左右することは滅多にありません。失業がふえるよりも減った方がマシ、というぐらいの反応です。
しかし米国では雇用が常に問われます。国以上に市場はそれに神経質です。雇用は経済を支える根幹だからで、雇用統計の数字は株式市場よりも為替市場でのドルにストレートに影響します。
では1月の雇用情勢はどうだったか。すでにご存じだと思いますが、非農業部門で3万6000人の増加でした。市場予想は15万5000人だったため、かなり少なかったことになります。
しかし問題はさほど増えなかった要因です。豪雪により仕事が失われたり、出社出来なくなったりして雇用拡大が出来なかったのです。
となると3月に発表される2月の雇用統計は増加が予想されることになるため、米国市場はすでにそれを想定して買いが継続していると見てよいでしょう。
実際はどうなるか分かりませんが、市場はそんな予想=期待のもとに動いているのであり、われわれも素直にそれに乗っていく。これが基本的な対応法になります。
幸い多くの銘柄が上昇を続けています。私好みの銘柄では、オークマ、アルプス電気、カヤバ工業、旭化成、ナブテスコ、安川電機、オリックス、サンリオ、日東電工、日本精工などが、時々少しは下げるものの、すぐに回復に転じて戻り高値を更新します。
そんなに好材料があるとも思えないのになぜだ? こういうことになるのですが、株価はちゃんと理屈があって動くわけではありません。上るから上る。こんな動きもよく見られ、実際そうなることがあります。
前述した銘柄群は、まさにそんな動きといえます。上るから新たな買いが入り、それによってさらに上がり、それを見てまた新たな買いが入って上る。
こんな動きになっているといえます。
われわれ投資家としては、どんな理由であれ株が上ればそれでよいわけで、その意味では値動き重視。これが大事になって来ますので、チャートから目を離さない。いまはこれが非常に有効です。
で、ここで注目したいのは、まずはサンデン(6444 東1 1000株)です。自動車用エアコンや店舗用冷凍機に強いメーカーですが、10日は株価が急落しました。
9日に発表された10年4~12月期決算は好調だったものの、11年3月期を上方修正しなかったため、好材料出尽くしと見られ一斉に売られたのです。
この種の銘柄は急落場面で拾っておくのが正解です。
敢えて高値にある銘柄の中から、アシックス(7936 東1 1000株)です。スポーツシューズで知名度高く、アシックスブラントの他に、オニツカタイガーもあり、ともに内外で販売を伸ばしています。
これから季節が春に向かうことでもあり、スポーツシューズ需要は拡大期に入ります。この点も株価にプラスです。
最後に荏原製作所(6361 東1 1000株)を。リスクが高いことを承知の上で手がけたい銘柄です。ポンプの総合メーカーで、環境関連株という見方をされているため、株価は期待外れの動きになっていました。
しかし水処理装置や半導体関連装置などの需要が予想以上に好調で、今期は3期ぶりに5円を復配するとのこと。株価は急騰中ながら、そろそろ一服入れるところ。
一服したところで投資する作戦がお勧めです。