先週の配信にはたくさんのご質問を頂きまして恐縮です。
票数というかご意見の多かった御質問をいくつかピックアップして少しずつ解説していきます。
なるほど、そういう所に疑問を持たれるのか、と改めて新鮮な驚きがございました。
貴重なご意見を下さったみなさま、感謝申し上げます。
ただし、ブログにも書きましたが明らかに「その筋の方」の質問も多数ありましてそれらをこちらで説明するにしてもあまりにも専門的に過ぎるのでその辺は御理解下さいませ。
では、アトランダムにでは参りましょう。
質問1
ソブリン格付けが下がるということは結局日本の信用力が下がるということでその意味で債券格付けが下がったのと同意ではないのか?
そうではないのです。
まず繰り返しますが、「ソブリン格付け」とS&P社(以下SP)が呼んでいる格付けでは債券(日本国債)の純粋な返済能力ではなく、その国の国としての力、信用力を総合的に判定しているとされています。
つまりそこには政治安定力、政権担当能力など様々なファクターを組み込んだ上で国の総力を格付け
しているのであり債務返済能力を厳密に判定したものではないと彼らは説明しています。(前に細かく質問をしたことがあるのですが、あくまでSPとしての総合判断だと答えてきました。つまりこのソブリン格付けとはあくまでSPの主観的判断であり、債券格付けとは自から性格の異なるものだと認めている訳です。債券格付けの方はきちんと発行体(この場合なら日本政府)から依頼を受けて格付けするものですからそれなりの責任が発生し、気軽に格付けできない訳であり、今回のアメリカの証券化商品の問題でも、あまりにも格付けがいい加減ではないか、と格付会社及びそれを依頼した証券会社を訴えるという動きがある訳です。しかし、このソブリン格付けはそういった責任感を持って付けたものであなく、あくまでも勝手に付けたものだと言う事をS&P社も認めている訳です。)
その意味では菅首相や与謝野大臣は本当に大笑いで、純粋な日本国債の返済能力ではなく、自分たちの政権担当能力が低い事こそが(SPは民主党の政策がはっきりしないと説明していますが・・・)ソブリン格下げの大きな原因の一つだと指摘されているにも拘わらず、それを日本の財政危機とすり替えていしまっている訳です。自民党はそれこそあなた方が無能なのが原因で格下げになったのだ・・・と言えばいいのに同じ財政問題に拘泥してしまった所が情けない。
この点をはっきりするべきであって、それらと国債の返済能力、倒産可能性を混同する事はあってはなりません。間接的には国力の低下が返済能力に影響を及ぼす事はあり得ますが、必要十分とは言えません。
逆に言いますと、もし政権がしっかり運営されていれば今回のソブリン格付けの格下げも為されなかった可能性まである訳です。
にも拘わらずソブリン格下げの理由の全てを財政危機だというのはもう、これは暴論もいい所です。例の「蚊の多い所に結核の患者が多く発生する」という間違いと一緒な訳です。(実際は蚊が発生する様な温かい所で養生する結核の患者が多いために患者数が多く見えるだけで、蚊が直接の原因ではないということ。)
さて、そうなると元来の「日本国債の格付け」との兼ね合いはどうなるか、との御質問が出てくる訳でこれも結構頂きました。
これは、何度も申し上げますが、日本国債に格付けはありません。というか付けようがない筈です。なぜなら今の経済学では先進国の自国建て通貨の債券についてはデフォルトしない、というのが前提になっていますのでこれは仕方ありません。(もしこれを否定しにかかるといま流通しているドル、ユーロ、円などは兌換性がないのでそれは通貨価値がないのと同じ、という話になる)
結局国は徴税権があるので最後は国民負担でちゃらにしてしまうことになります。
(事実消費税を28%にすると今の借金が全て返済できるという計算もある訳です。しかしそれでいいんですか、ということですよね)。
もし無理に日本国債に格付けをつけるとなれば通常の企業と同じように細かく収入内訳、資産算定などをしたうえで返済可能性を追求せねばならず、日本政府自身が自らの資産査定を放棄して、債務ばかりを強調している現状ではそれは一民間機関(S&P社やムーディーズ社)には不可能な話になります。これは小泉政権の時に話題になった国のバランスシート作りとも関わって来ます。
だからこそ、それをわかりきっているので・・・2002年の時には財務省がそれこそ火の玉のように大反論した訳です。
ところがなんで今回はしないのか。
そこに特別な意図を感じるな・・・と言う方が無理でしょう。
確かに日本語のプレスリリースでは長期債務に関する格付けを含むとも書いているのでそれが下がったという御指摘もありますが、それはあくまでも単なる「意見」の範囲でしかありません。
因みにこういう格付けの事を業界では「勝手格付け」と呼ばれており、殆ど相手にされないのが実情でなぜあれだけジャーナリストや国会が騒ぐか理解ができない・・・というかやはり特別な意図を感じる訳です。
また、自国建て長期債務の優先債券という妙な表現をSPは使っているのですが、これが何を指すのか(今流通している日本国債と同じものを指しているのか)、明確な回答はありません。
いずれにせよ、正式に運用判定に使われる債券格付けとソブリン格付け(勝手に主観的に判断するもの)は異なるということをしっかり理解して頂く必要があるでしょう。
ですから一民間調査機関の他愛もない評価をなぜそんなに過大評価するのかそもそもわからない、と言う事になりますね。
ではそもそもS&P社というのは一民間評価会社としてそれだけ信頼できる会社なのでしょうか。
これは申し上げた通り、この会社の過去の評価実績は惨憺たるものな訳です。
欧州通貨危機で債務借り換え危機に直面しているスペインのソブリン格付けが日本より上だというのですから、元来はなぜだ! と2002年当時のように日本政府が聞き返すのがふつうですが、所が今回はダマテンを決め込みこれ幸いと増税のネタにされようとしている、ということを申し上げております。
質問2
そうはいっても日本国債はこのままいくと返済不可能なのではないか。
この質問も多数頂きました。大新聞の洗脳はすごい力がありますね(笑)。
論点は二つあるでしょう。一つは全てを返済する必要が元来ないのが国、特に先進国の債務であるということ。つまり800兆円すべて返す、という前提に立つ必要は全くないということです。何故か、と言われても世界中がそれを基準に動いているからとしか言いようがありませんね。逆にこれを世界中が順守しようとすれば経済規模が一気に縮小して世界中で大恐慌になるでしょう。
クルーグマンもユーロについてはこの点を厳しく指摘していますね。
逆に言えばもし債務ゼロが健全なのだ、とするなら日本経済(他の先進国も)は一切成長をしないと宣言することになります。どんなに必要なものがあってもお金がたまるまで待ってそうしなければ絶対投資しない、ということが国民のコンセンサスであるならそれはそれでいいと思います。
ただしそれでは最早資本主義とは呼べないでしょう。
実際、道路、橋などのインフラを含めてどのくらい生活水準が下がるのかはわかりませんし、そうなれば医療費など全て自己負担になるでしょう。
ですからそれこそ子孫の事を一切考えずに未来への投資をゼロにするなら国の債務を全額返済することは速攻で可能です。しかし、それは国の姿としては異常です。
借金をしてもできる範囲で将来の国民に豊かな生活を確保することが国の政策であるべきですよね。
その点からすると日本はこの低金利ですから十分サステイナブルな範囲で借金をしていると何度も申し上げている訳でして、海外から借金をしない限り絶対に大丈夫です。
私は賛同しかねますが、そもそも日本の借金が増えてその分信用力がなくなり円安になり、そうなれば輸出が増えると日本経済新聞はおっしゃってる訳ですからそれで借金を返せるでしょう。(そもそも円安になると原料になる鉄鉱石や原油を買えないですよね、と申し上げてはいるのですが・・・笑)
そしてもう一つの論点は、では百歩譲って・・・もし日本の財政が破綻することがあるとするとそれは一体どういう事態で来るのでしょうか?
何度も言いますが、10年国債を1%程度の金利で全て国内で調達をして、1ドル80円という過去史上最高に近い強い通貨があり、しかも貿易、経常収支が黒字のまま債券の返済及び借り換えができなくなる・・・・なんてことは絶対にありません。もしこれでも危ないとするなら世界中の国が即刻デフォルトです。
そしてこれも何度も言いますが債務のGDP比と国の倒産の間には全く合理的な関係がありません。タイも韓国もGDP比20%程度の債務状態で倒産しています.
それは海外からの借金に頼っていたからです。ですからこの数字を抜きにしてGDP比の債務比率を出しても全く意味がない。先ほどの蚊と結核の話と全く同じです。
一方で皆さんが何らかの理由で、少しずつではなく、明日一斉に預金を解約するなら、銀行がそれに対応して国債を売却するので間違いなく「破綻」します。
しかし、そんなイクストリームなシナリオを考えて政策運営をする所に経済合理性はなく、それなら富士山噴火に明日から備えましょう、と言って毎日それを想定した生活をする・・・いうのと同程度のレベルの話でしかないのです。
当然キャピタルフライトというものはじわじわと時間をかけて起きて来るわけでその時には間違いなく円安になる筈です。日本経済新聞は円安で企業業績がよくなると主張していますから、それならこれはむしろ歓迎すべき事態ではないでしょうか(笑)。
そのために日本国内で国債を買うニーズが減り金利が上がりかつ円安になるというのが破綻への一つの道筋です。(食料から何から何まで買えなくなる筈です)
しかし残念ながら今日本からキャピタルフライトするべく高金利の国と言うのは危なっかしい国しかない訳です。これでアメリカの金利が7%位あれば可能性はあったと思いますが、ほぼすべてゼロな訳です。
アメリカ国債10年債で3%の金利と言っても80円が79円になれば手数料込みでは完全にマイナス
になります。個人で買おうとするとばかみたいな手数料を抜かれるので実際には1%台なのではないでしょうか。
ブラジル、南アなどの投資先も伸びていると聞きますが、あれだけの政治リスクとインフレリスクを取るのですからその「保険」として金利が高いという事を理解する必要があります。まさにハイリスク・ハイリターンです。まあ、これを理解しないで投資されている方がたくさんいるのは残念でなりませんが・・・
ですから財政破綻論者はキャピタルフライトがある日突然起きるか否かと言う点にかけている訳で、それなら私が富士山爆発が明日起きる、と騒いでいるようなもので、そりゃ、理論的にはあり得るのかもしれませんが、それでは予測というより極めて蓋然性の高い可能性の一つ、と言うべきでしょう。まず彼らはどういう事態に財政破綻を引き起こす突発的キャピタルフライトが起きるのかをきちんと説明する必要がある筈です。
もっと言いますとこのキャピタルフライトの議論は80年代からずーっと続いています。彼らは当時からずーっと、日本は財政が危ない、円から資金が逃げ出すぞ、円安だぞ、日本国債は10%だ、と言い続けているのです。藤巻さんがその代表例ですが、まあ、あそこまで懲りずにまだ本までお出しになっているのは御立派で、こうなると最早「芸風」というしかないのですが、30年間外れ続けているこの予測(?)は一体何を意味しているか、よく考える必要があります。最早狼少年状態です。
要するに経済学者を含めてこういう人々は金利差、インフレ率、全く客観性のない財政赤字のGDP比率など一見もっともな数字をみせて語る訳です。
しかしそれらと財政破綻やキャピタルフライトに本当に厳密な関係があるのかと言われると私が書いたような反証がいくらでも出てくるのです。
しかしこの事は無視する。因みに私は長い間金融業をやっていてキャピタルフライトの最大の要因は金利だとかインフレではなく、国としての、或いはお金を預けておく場合の安全性なのだと思います。
その点住みやすく、治安が良く、すべてが整っている日本に資本を置いておくことはあまり不自然ではないと思います。
日本人もすべての方が老後をアメリカで送るのだ、と言うようにはならないですね。
むしろ逆に金持ちになった中国人が老後は安全な日本で住みたい、と言い出すのかもしれませんし、現に子供を連れて日本に来たいという金持ちの中国人は私の周りにたくさんいます。
(余談ですが、彼らを投資移民として5億円程度の国債購入と引き換えに受け入れてあげたらいいのではないかと思いますけどね。シンガポールなどがやっている手ですが、彼らは高額納税者かつ大消費者ですからね、日本に悪い事は一つもないと思うのですが真剣に検討されたという話は聞きませんね。)
そしてその上で税制の議論が出てくる訳ですね。これについても多数御質問を頂きました。
消費税、消費税、と菅さんは財務省に言われるがままに主張しますが、なぜ消費税がいいのですか?という点については全く説明がありませんね。
私は恐らく簡単に取りやすいから、ということではないか、と思っていますが。(痛税感がない、と表現されますね)
もし本当に消費税がいいのなら、消費税を上げた方が所得税や他の税金を上げるより優れているということを、納得できるようにきちんと国民に説明する必要があるのではないでしょうか。
しかし事実は全く逆。
つまり格差是正をうたっている民主党にとって消費税は「真逆」の性格をもつ税制です。これを民主党が出してくる(特にカンチョクト)と言う所に彼らが如何に何も勉強していないかということが露呈される事になります。
元々消費税導入を決めた竹下首相は極めて洗練された答弁を国会でされていました。
消費税の問題点については以下だとしています。
(1)逆進性
(2)不公平感
(3)社会の中堅層への過重な負担
(4)痛税感がないから、税率の引き上げが容易
(5)納税手続きの事務負担
(6)インフレ(便乗値上げ)
そして導入から20年以上たった今、このうち何が本当に問題になるのかということもわかってきた。
そのNO1が1の「逆進性」。つまり貧乏人が金持ちと同じもしくは過剰な負担を抱えてしまうという一点な訳です。金持ちも貧乏人も一日に食べる量や飲む水の量は一緒ですからね。
貧乏人の方が収入に比較すればはるかに多くの負担をする事になります。
そういった逆進性の極めて高い、格差を助長する税を導入してまで財政を補てんする事が本当にいいことなのか。
うそにまみれた財政危機論議に巻き込まれ、後世の為とか自分の子供世代の為とか思って納税することになる人々がこのあたりをきちんと認識しているとはどうにも思えない訳です。
相対的に3000万円以上年収のある国会議員にとっては所得増税よりこちらの方が好ましいに決まっています。
ですから我々庶民は危なくもない財政を補てんする為にこれだけ逆進性の高い消費税を持ちだされて黙っている訳にはやはりいかないでしょう。
日本の財政はこのまま行っても十分にサステイナブルです。
消費税を上げればそれだけ役人が使える予算とその権限が増えるだけであって、むしろその消費税増税分を逆に減税し、国ではなくみなさまが個人的に好きな所に使うという発想が出てこないのが不思議ですね。国の方が本当に有効なお金の使い方ができるのかどうか、それは成田空港や今度の羽田空港を見てもらえば結論は明らかだと思います。成熟した日本社会では硬直化した官僚組織を有する国よりも
、日本国民一人一人の方が圧倒的に有効な使い方をすると私は信じています。
格差是正を訴えた筈の民主党がこうやって格差拡大に手を染めているのは何とも複雑な気分になる・・・のは私だけではないと思います。
そして最後に消費税など増税をした場合の景気後退に対する影響も全く議論されていません。
これだけ内需の不足に苦しんでいる国で増税をすることが何を意味するのか、これも真剣に検討する必要があるでしょう。「景気後退をさせない増税もある」と言っている人は、あのリーマンショックを「蚊に刺された程度だ」と言った人ですよ。
私と彼とどちらが正しいかは過去のブログを読んで頂ければすぐわかります(笑)。
さて、その他の御質問も多岐にわたっており、1BPバリューの計算方法、国債の入札の方法、個人向け国債の安全性などなど、かなり頂きました。これらについてはおいおい機会を見て取り上げさせて頂きますが、今回は取り敢えず最大公約数的にお答えできそうなものをまずピックアップさせて頂きました。
皆様にお返事できるのはちょっと時間がかかると思いますが、しばしお待ちの程をお願い申し上げます。
たくさんのご質問、心より感謝申し上げます。
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アメリカ失業率を見渡す
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さて恒例、アメリカ失業率が発表になりました。
あまりスペースに余裕がないので簡単におさらいしておきましょう。
失業率そのものは9.0%と大幅に改善。但し雇用者数は思ったようには伸びませんでした。
毎度繰り返しで恐縮ですが、今回の雇用サイクルは戦後最悪に長くそして深く落ち込んでいて横ばいは始めましたが改善には至っていないというここ数カ月の流れを今回も踏襲しています。
(くどいようですがこれに対して失業率大幅改善と書く新聞のセンスが僕にはわかりません。
確かに前月比では9.4が9.0になったので改善はしている訳ですが、この水準にいながら大幅に改善と書くのはどうも別の意図を感じてしまう訳であります。)
ベストニュースは失業率そのものの9.0%への低下。しかし今回は労働参加比率(所謂労働基準年齢に達した実働可能な労働率)が64.2%とついに今回の「2007年不況」の最低を更新してしまい、80年代並みに落ちてしまった事が原因となっていることは重要です。今回のピリオドで2パーセンテージポイントも落ちてしまった事は、これは相当な下落と言えます。
所謂就業者数は36000人増えましたが、これは予想をはるかに下回る数字です。
実際には昨今の悪天候によるディストーションがあるとみられるので2月のリバイズ(改定値)を見る必要がありますが、本当に悪天候のため仕事が減ったのか、逆にこの大雪などによる除雪のためのアルバイトの増加などで緊急雇用が増加したのか、よく見極める必要があるでしょう。
26週以上長期失業者の減少、非自発的パートタイム雇用者(U6)の低下はグッドニュースなのですが引き続き水準そのものは非常に高くミクロの戦いでしかありません。
就業時間は34.2時間と若干減少、時間当たり賃金は8セント上昇ですがこれもミクロ圏の変化です。
一部の報道のようにもしこれをすべて悪天候が原因だったと片付けるなら今回の雇用統計は比較的「底堅いもの」と見ていいのかもしれませんが、それは2月にならないとわかりません。
そして全体の水準が戦後最低レベルと言う点はこれまでと同様です。
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欧州について・束の間の休息
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結果的に日本の安定化基金(EFSF)債券への投資決断というニュースが市場の暴落を止めた格好になりました。
これは偶然ではなく、欧州の報道はまさに歓迎一色。中国による有難くない(よこしまな、と表現されていました)援助に比べればと日本による参入は大変な好感を持って迎え入れられています。
随分時代も変わったものだと感慨深いものがあります。
一頃なら日本車が燃やされていたでしょうが、今やヒール役は完全に中国に持っていかれてしまいま
した(笑)。
実際ギリシャもこのニュースを挟んで100BP以上スプレッド(対ドイツ)
が改善、その他周辺国も改善しています。
1月の一連の入札がこの日本のニュースの御蔭で順調に終わったことも大きく、今回はまさに「Thanks to Japan 」だったというのが真実ですが、こういうニュースはあまり大きく扱われませんね。
ただし、メルケルが引き続き強硬発言を繰り返しているように、
これはある種「干天の慈雨」とでも言うべきいうもので、とても長続きするものとは言えないのでもし反発するなら売り残したユーロを売るチャンスが来た、くらいの感じで捉えられた方がいいと思います。
従って大筋のシナリオを変える材料は全くありませんし、それどころか中近東まで火を拭いてしまうと地政学的に近い欧州はまた新たな火種を抱えこみかねません。
エジプトまで原理主義化するなら、その大半の債権を保有する欧州の銀行にとってはダメージ以外の何ものでもありません。
ということで、この件に関しては大きなシナリオ変更なしで引き続きキャタストロフィックシナリオ、であります。
あとがき
今週は大阪、仙台と出張が多く刺激が多く楽しかった週でしたがなにせエジプトがあの騒ぎなのでわたくしも大忙し。
こうして勃発してみると中近東に大きく投資をしているのはやはり欧州勢ということがよくわかります。
アメリカは政治的には大変な痛手ですが、経済的に見ると大したことは無く、まさに欧州直撃です。
またサウジ、UAEなどの王族系ファンドも相当エジプトにはつぎ込んでおり、まさに右往左往しているのが手に取るように分かりました・・・かなりなサービス情報ですぞ!
こうなってくるとまたぞろ日本にお金が集まるような気がします。
こういう政治・宗教的混乱とは全く無縁の日本と言う存在が彼らアラブの連中からみると本当にうらやましい、という事のようです。
確かに年末にクリスマスを祝い、2週間もたたないうちに神社に賽銭をなげ、
1カ月後には豆をまいて、更に一カ月後には墓参りして御経を上げている・・・というのはアラブ人には到底理解できない訳ですが、その社会的寛容さ(悪く出るといい加減でルーズになる)は広く世界を惹きつけている訳です。
では円高ですかって?? それはどうぞご自分で御判断を!(笑)
ではまた!