[北浜 流一郎先生の株式コラム 01月20日号]
新年相場で最大の下げ。
気分はよろしくないが、押し目拾いに取りかかりたい。
株は素直には上がってくれません。休みなく上るのではなく、時々休みながら、つまり下げながら上がります。そんなことは分かっている。こういう方でも、実際に少し下げたら、どんな気分になるでしょうか。
何だ、上らないじゃないか。下げてくれては困るんだよな。こういうことになるのではないでしょうか。そして大抵、気分がよろしくないものです。そんな時、他の銘柄が上ったりすると、あの株にすれば良かった。あちらの方が上がりそうな気がしたんだよな、なんてことになったりします。
そして最悪なのが、その株に乗り換えてしまう。
こんなことになりがちなのが、株式投資であり、いまがそんな気持ちに陥りやすい時期でもあります。市場の流れにやや変化が見られるようになっているからです。
先駆したスマートフォンや電気自動車関連株などが失速し、代わって銀行株や不動産株などが頭をもたげています。
背景にあるのは欧州財政・金融不安の後退です。債務問題はなお居座り続けているのですが、ポルトガルやスペインなどの国債入札が順調に終わったこと、ドイツ経済が順調に成長中であることなどから、財政・金融不安がかなり後退しているのです。
それはユーロ高となり、ここまでは歓迎出来るのですが、東京市場にとってはこのことが下落要因となっています。ユーロ高によりドルが下げ、円に対しても下げてしまう。こんなことからドル安円高となっているのです。
為替の円高は東京市場にとって天敵。そのため主力の自動車、電子部品、機械株などが反落したばかりか、浮上に転じてたばかりの銀行、証券、不動産株なども急失速中です。それに市場の一部では早くも節分天井を警戒する声も聞かれるようになっています。
こんな状況が改善するのに不可欠なのは、もちろんドルの上昇です。それはあるのか。米国の雇用情勢次第であり、幸いそれは改善方向にあります。そのためドルの下落がこのまま続くとは考えられませんが、回復に手間取るのは計算に入れておきたいところです。その間、自動車や電子部品株、機械株などは戻りにくい。こう考えるのが常識でしょうが、外国人投資家たちの買い意欲はいまは旺盛であり、たとえ円が下がらなくても、円がさらに上昇しない限り自動車や電子部品株を買って来ると見てよいでしょう。
銀行株についてはどうか。こちらはゴールドマン・サックスの決算悪化で大きく売り込まれたことで目先多少の小波乱はあるでしょうが、次第に買い直されると見てよいでしょう。ユーロの財政・金融不安後退は日本の銀行経営にもプラスするからです。
それにいまは私が「B級グルメ銘柄」と呼んでいる低位株群も意外に元気です。それらは主力銘柄や銀行株とその関連銘柄が浮上出来ない時に幕間つなぎをしてくれます。つまり上がります。
そこで注目は、まずはパイオニア(6773 東1 1000株)です。自動車用音響機器とカーナビのメーカーですが、収益の悪化が続いていました。しかし今期は蘇生方向です。しかもドコモとスマートフォン向けカーナビアプリで提携もしています。経営状況は次第に完全に向かうと見てよく、株価も再起が見込めます。
高値にあるものの、20日は反落した高岳製作所(6621 東1 1000株)株もここで拾っておきたい銘柄の一つです。この会社は電力機器の大手。東京電力との関係が緊密なことで知られていますが、注目したいのは急速充電器です。
将来電気自動車用に使われることになると見てよく、株価も力強いと見てよいでしょう。
最後はナブテスコ(6268 東1 100株)です。産業用ロボットの減速機器に強いメーカーです。同時に鉄道用ブレーキにも展開、この分野でも首位です。他に建設機械用油圧機器も手がけていて、いまはこれらの全分野が好調です。
株価はそれを正当評価、高値圏にあるものの、増収増益が続く以上、株価にはなお上昇余力があると見てよく、現在のような足踏み状態でシフトしておきたい銘柄です。