マスコミまで「増税止む無し」の大合唱 | ブー子のブログ

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マスコミまで「増税止む無し」の大合唱
増税だけが財政再建の道ではないことを示す


 それにしても、ここ数日のマスコミ報道における「2年連続で租税等収入が国債発行額を下回る異常事態なので、増税が必要」という叫びには、ほとほとうんざりだ。

 たしかに、財政状況は普通ではないといえる。ただ、ほんの少し前の07、08年度予算では、歳出総額83兆円、租税等収入は53.5兆円程度、国債発行額は25兆円程度だった。民主党政権になって、デフレによる税収の落ち込みはあるが、従来の自民党政権での施策をそのままにして(予算組み替えをせずに)、民主党の施策を上乗せしたために、歳出が膨らんだ。

 その結果、10年度と11年度はそれぞれの歳出総額は92.3兆円、92.4兆円。これに対して、それぞれの租税等収入は37.4兆円、40.9兆円を見込んでいるため、国債発行額の44.3兆円を下回ったのだ。

 そこで増税というが、それよりも歳出規模を抑えるための予算組み替えが先だ。だがマスコミは、第1に上に述べたように、歳入増を増税でしかできないと思い込んでいる。第2には国債発行額自体が過剰に膨らまされた数字であることを、まったく報道しない。

 国債発行額44.3兆円のからくりを述べよう。

 歳出の内、国債費は21.5兆円。これは問題ないと誰も気にとめていないが、過剰計上だ。その内訳を見てみると、債務償還費が11.6兆円と利払費が9.9兆円。くせ者は債務償還費だ。

 そのほとんどは、特別会計に関する法律第42条第2項に基づく定率繰入といわれるものである。具体的には、前年度期首における国債残高の1.6%が、一般会計から国債整理基金に繰り入れられる。国債整理基金で国債償還のために資金を積み立てるわけだが、この仕組みを減債制度という。

 借金返済のためにお金を積み立てるのは、当然だと思うかもしれない。しかし、よく考えてみると、借金をする場合(=国債発行)、借金を返すための手持ち金(=歳出)を増やすために、さらに借金を増やすのは本末転倒だ。要するに、減債制度の運営のために、さらに国債発行を増やさなければいけないのはおかしい。

 つまり、債務償還費11.6兆円を計上することで歳出が11.6兆円膨らみ、その分の新規国債発行額が増えているのだ。このように債務償還費を歳出に計上しているのは先進国では日本だけだ。国際基準で歳出予算を書き直せば、44.3兆円から11.6兆円を引いた32.7兆円が新規国債発行額だ。

 ちなみに、日本でも、1982~89年度、93~95年度は定率繰入が停止されていた。先進国では存在しない減債制度を日本だけが墨守しつつ、財政赤字を過度に強調するはおかしい。

プライマリー収支の赤字は
小泉政権下の最悪時程度
 ちなみに、日本のマスコミは国債発行額44.3兆円が、あたかも財政赤字のように報道しているが、国際的基準で見た財政赤字は32.7兆円なのである。

 もっとも財政状態を見るには、上述したように財政赤字は必ずしも適切でなく、財政収支から金融関連を除いたプライマリー収支(=税収などから(国債費を除いた歳出)を引いたもの)で見る。2011年度予算で見ると、プライマリー赤字は22.8兆円だ。

 財政再建の議論では、国債発行額44.3兆円をゼロにしなければいけないと思い込んでいるマスコミが多い。そこで、経済成長だけは無理で、増税という話になる。しかし、黒字化しなければいけないのは、プライマリー赤字22.8兆円だ。

 この赤字は解消可能な数字だ。小泉政権での最悪時は2003年の28.4兆円。それが07年には6.4兆円まで、22兆円も改善したからである。