[杉村 富生先生の株式コラム 09月20日号] | ブー子のブログ

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[杉村 富生先生の株式コラム 09月20日号]

為替介入の背景、およびその効果&投資戦術!

 財務省・日銀が9月15日、2004年3月16日以来の円売り・ドル買い介入を実施しました。その後も断続的に介入しています。これを受け、円相場は一気に1ドル=85円台に巻き戻され、株価は反発しています。初日の介入額は2兆円に達したそうです。

 この局面での為替介入には80円大台死守の意思表示に加え、円高進行のスピードの速さに対する警戒感、民主党代表選後の国内政局に配慮、9月中間決算期末を意識―などの要因があったのでしょう。レンジ押し上げを狙ったものと考えられます。

 さて、問題は為替介入の効果の持続性でしょう。基本的に、単独介入には限界があります。それに、円・ドルの外為市場における1日の取引高は5000億ドル(42兆~43兆円)もあるのです。2兆円程度ではどうにもなりません。

 今回は介入のタイミングが絶妙というか、サプライズがあったうえ、たまたまメリルリンチの機関投資家の意識調査の結果(「円は買われすぎ」とのレポート)が公表された直後の介入だったため、予想外の円安出現になったのでしょう。

 さらに、アメリカの経済指標が比較的良好であり、NYダウが上昇、金利が堅調に推移していたなどの支援材料もありました。また、21日まではアメリカの重要な統計の発表がなく、潜在的なドル安イベントが少ない時期なのです。

 このわずかな期間に、大きく積み上がっている85~86円がらみの投機的ポジション(円買い・ドル売り)を解消に追い込み、円安方向にどのくらい“のりしろ”を作れるか、ここが勝負どころでしょう。ただ、86~87円のゾーンには輸出企業のまとまったドル売り予約が控えています。

 日本の輸出金額は月間6兆円のペースですが、うち49%がドル建てです。半期分では18兆円程度あります。まあ、5割以上は予約済みと推測されますが・・・・。それに、為替介入の“薬効”は40日前後といわれています。もとより、短期勝負です。

 当局はその間に、アメリカ景気の底割れが回避され、金利が上昇するシナリオ(円安・ドル高基調に転換)を描いているのでしょう。いわば、今回の為替介入は「時間稼ぎ」との見方ができます。問題はそう思惑通りにコトが運ぶか、どうかにあります。

 1995年のケース(4月19日に、79円75銭の超円高を示現したあと、年末には103円高の大幅な円安となった)では為替介入、日銀のドラスチックな利下げ(公定歩合を1.75%→0.5%)のほか、G7の協調(為替相場の秩序ある反転を望む、との合意→円高阻止)がありました。協調介入、および日銀の金融政策と組み合わせたイベント介入か、単独介入か、当時と現在とではこれが大きな相違点です。

 従って、現状では1995年のような劇的な円安転換は期待できません。むしろ、年末にかけ一段と円高圧力が強まる可能性が残っています。だからこそ、日銀の決断が必要なのです。日銀は早晩、追い込まれるでしょう。

 日銀は次の円高局面に備え、“手”を温存しているのでしょうが、ここはすみやかに非伝統的な金融政策(ゼロ金利・量的金融緩和政策の復活、国債の買い入れ増額→日銀券ルールの撤廃など)に踏み込むべきでしょう。決断は速いほど効果的です。

 いずれにせよ、株式市場は引き続いて為替次第の展開が続くでしょう。それに、株価は底打ちをしたものの、本格反騰態勢に入ったわけではありません。従って、投資戦術としてはこれまで同様、徹底した押し目買い作戦が有効と判断します。

 “復活”がキーワードの昔は優良企業の三越伊勢丹HD(3099 東1 100株)、メガネトップ(7541 東1 100株)、ミツミ電機(6767 東1 100株)、ニチイ学館(9792 東1 100株)は仕込みの好機です。