[澤部 潔先生の増田足コラム 09月17日号]
6年ぶり介入でガラリ一変
次は菅改造内閣の経済運営が焦点に
今週は幾つかの大きなイベントがありました。一つが14日に行われた民主党の代表選で菅首相が勝利し、続投が決まったことです。市場筋の見方は菅首相続投なら株安・円高、小沢首相誕生なら株高・円安というものでした。この予想通り、菅首相勝利の直後から外国為替市場では円高加速。翌15日にはついに1ドル=82円80銭台の円高水準を示現、株価も軟調に推移していました。
そこで抜かれたのが伝家の宝刀「介入」です。これが二つ目のイベント。介入は午前10時半前後から始まり、円は一気に84円台まで急落、株価も輸出株を中心に強烈な引き戻しを演じました。
結果的に、この介入は大成功だったようです。為替は週末17日には85円台後半の水準まで円高是正が進み、日経平均は8月10日以来の9600円台へ歩を進めています。
日経平均の増田足もガラリ変わってきました。15日には待望の25日足ピンク転換が実現、週明けには3日足が75日足を下から突き抜けるゴールデンクロスも達成しています。先読みを見ると、このまま順調に行くと、75日足のピンク転換も来週半ばには実現する見通し。
また、個別銘柄の波動も輸出株中心に好転するものが相次いでいます。例えば、円高を嫌気して下値模索の動きを続けてきたトヨタ(7203 東1 100株)。15日の大陽線を受けて、翌16日には25日足がピンク転換。6色パターンも調整の「E」から調整の終了を意味する「F」にステップアップし、戻り売りから押し目買いにパターンが変わっています。キヤノン(7751 東1 100株)やホンダ(7267 東1 100株)のように、3本の波動が順の位置に並び(上から短期足・中期足・長期足)、6色パターンが上昇を意味する「B」に変化する銘柄も出始めています。
ただ、来週は、立会い日数が3日という変則日程であることに加え、為替の動向を左右する重要イベントであるFOMCを21日に控えている関係から、一時的に模様眺めムードが強まるのではないかと見ています。
FOMCで追加金融緩和が示された場合、再び円高圧力が強まるケースが考えられます。今回の介入に関して、自国通貨安にこだわる欧米各国から早くもブーイングの声が出始めていますが、円に揺り戻し的な動きが出たとき、そうした声を跳ね飛ばして「断固たる措置」を取ることが出来るかどうか、円高克服に対する菅政権のホンキ度を試される場面が早くも訪れる可能性があります。
為替介入は基本的には時間稼ぎの政策です。17日に誕生した菅改造内閣並びに日銀には、追加景気対策や、大胆な追加金融政策といった根本的な円高、デフレ対策が求められるのはいうまでもありません。その内容によって、ここで出た流れが、本格的な株価回復に結びつくか否かが決まってきます。
来週は、ひとまず、先駆した輸出株はスピード調整、幕間で材料株が個別に物色される、そんな流れでしょうか。
最近人気の売り込み系材料株では住友重機(6302 東1 1000株)のウネリが強まっています。増田足は16日に25日足がピンク転換。信用倍率1.66倍。16のグループ会社を展開している中国市場の将来性に改めて市場の関心が向いています。
もっと細かい銘柄がいいという向きは大倉工業(4221 東1 1000株)が雰囲気を強めています。17日の陽線+25日移動奪回は上放れ間近のシグナルか。増田足は「E」から「F」へのステップアップが目前。