[杉村 富生先生の株式コラム 09月06日号]
ついに、“株式の死”が話題に!
日本の株式市場は1990年のバブル崩壊以降、長期低迷を余儀なくされています。相場的には20年間、ずっとベア(弱気)マーケットです。そう、下降トレンドが続いています。
しかし、数年に1度、大きなベアマーケットラリー(中間反騰)があります。たとえば、1992年8月~1994年6月(日経平均株価の上昇率は50.6%)、1995年7月~1996年6月(同56.5%)、1998年10月~2000年4月(同61.8%)、2003年4月~2007年7月(同2.4倍)、2009年3月~2010年4月(同60.8%)が好例です。
だからこそ、みんながギョッとするような安値ゾーンを買わないと、利食いのチャンスはありません。いま、株式市場には弱気ムードが漂っており、市場センチメントは冷え切っています。
いや、それどころか、円高は止らず、1ドル=67円がらみの水準を目指しているとか、株式は死んだ、日経平均株価は7000円の大台を割り込む―などと、叫んでいる人達がいます。しかし、極端な見方の出現は底打ちのシグナルです。
もちろん、株価指標には“異常値”が相次いでいます。TOPIXとS&Pの配当利回りが逆転、国債利回りとの差が1%超に拡大、2009年3月以来のPBR1倍割れ―などがそうです。1965年以降、過去45年の間にTOPIXのPBRが1倍を割り込んだのは今回を含め、わずか2回しかありません。
兜町では“株式の死”(デス・オブ・エクイティ)が話題になっていますが、この“本家”はアメリカです。すなわち、アメリカでは1979年夏~秋に、“株式の死”をめぐる論争がありました。有力経済紙が「株式は死んだ。もう2度とウォール街が活気を取り戻すことはないだろう」と報じ、これに多くのジャーナリズムが追随したのです。
確かに、当時のNY市場は長期間にわたって低迷しており、この主張は間違っていなかったと思います。実際、NYダウはその後、ジリ安となり、1982年8月12日には776ドルの安値をつけています。
ジャーナリズムの“株式の死”に反論したのはメリルリンチなどの大手証券です。すなわち、「株式は死なず、必ずよみがえる」と大々的な反論キャンペーンを展開したのです。
この動きに政府が呼応しました。もともと、アメリカは証券市場を「最も重要な国民の財産→公共財」と認識している国です。マーケットが健全でなければ経済は活性化されず、資本主義体制が維持できないことを知っていました。この点はどこかの国とは根本的に違っています。悲しい話ですが・・・。
ともあれ、アメリカは株式投資の魅力回復を目指し、取引税の撤廃、売買益・配当課税の軽減など、数々の施策を打ち出しました。さらに、1981年1月に就任したレーガン大統領は「偉大なアメリカの再構築戦略」を断行します。
この結果、アメリカ経済の復活とともに、NYダウは上昇に転じ、2007年10月9日には1万4164ドルの史上最高値を示現しました。776ドルの安値比18倍の急騰です。“株式の死”がきっかけになったのは間違いありません。
日本が復活できるか、否かは現時点では難しいところ(政治の決断待ち)ですし、足元では円安転換が株価反発の絶対条件でしょう。ただ、底値ゾーンなのは確かです。ユニプレス(5949 東1 100株)はアジア向けの売上高が着実に伸びています。2011年3月期は史上最高の決算が見込まれています。連結1株利益は185円の予想です。
プロトコーポレーション(4298 JQ 100株)はエコカー減税終了のメリットを享受できます。2012年3月期の連結1株利益は400円を超えます。