[杉村 富生先生の株式コラム 06月07日号] | ブー子のブログ

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[杉村 富生先生の株式コラム 06月07日号]

菅政権は「失われた20年」の克服を!






 ギリシャ・ショック(ユーロ不安)がEU加盟国のハンガリーに飛び火、先週末のNY市場は大荒れ(NYダウは324ドル安)となり、日本は政治が揺れています。菅政権の前途は多難です。厳しいカジ取りが求められています。株式市場はせっかく戻り歩調に転じていましたが、すっかり水を差された格好です。しかし、そんなに悲観してはいません。

 菅直人首相には普天間問題の解決を含め、日米関係の修復、東アジアの緊張の高まりに対応した“備え”(政府の仕事は国民の財産と生命を守ること)、「失われた20年」の克服、デフレ脱却、為替の安定(菅氏は円安論者?)、成長戦略の構築、財政再建(消費税の引き上げを容認?)など課題が山積みです。なにしろ、とり急ぎ「失政の9カ月」を取り返さねばなりません。

 ともあれ、今回もまた、9月に就任した首相の在任期間は“1年”(安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫の4氏→共通項は首相経験者を祖父、父に持つ極めつきの世襲議員)という経験則が証明されたことになります。

 まあ、育ちの良い“おぼっちゃま”ではこの激動の時代を乗り切れない、ということでしょう。その点、菅氏は村山富市氏以来、14年ぶりの非世襲(たたき上げ議員)首相であり、多少は期待できるのではないでしょうか。

 もちろん、期待に応えてもらわねば困ります。そして、この際、できるだけ長く、せめて2~3年は首相を続けてもらいたいと思っています。なにしろ、平成に入って、何と16人目の首相です。菅、鳩山氏はともかく、16人の名前が言えますか。ちなみに、竹下→宇野→海部→宮沢→細川→羽田→村山→橋本→小渕→森→小泉→安倍→福田→麻生→鳩山→菅の各氏ですが・・・・。

 このうち、小泉純一郎氏が1980日(現行憲法下の首相の通算在職日数ランキングの第3位)、橋本龍太郎氏が932日(同7位)、海部俊樹氏が818日(同10位)の在任日数となっています。しかし、他は極めて短命です。

 すなわち、羽田孜氏は64日、宇野宗佑氏は69日、鳩山氏は266日、細川護煕氏は263日、麻生氏は358日、福田氏は365日、安倍氏は366日にすぎません。徳川幕府の場合、260年間に将軍は15人でした。まあ、江戸時代と比較するのはどうかと思いますが、こんな短命政権ばかりでは目先の雑事に追いまくられ、将来を見据えた政策が実行されるはずがありません。

 筆者は「失われた20年」の主因はつきつめれば“政治”にあった、と考えています。すなわち、第1点は1989年11月のベルリンのカベの崩壊(東西冷戦構造の終えん)に象徴される戦後のパラダイム(ワク組み)の変化に対応できなかったことです。

 結果的に、ロシア、中国、インドなどの台頭を許し、日本の地盤沈下につながったのです。第2点はBIS(国際決済銀行)規制をあまり考えもせず、1992年に受け入れ、当局がバブルつぶしに加担したことでしょう。バブル崩壊後は無為無策を続け、金融システムの安定化にとどまり(早期の金融緩和策断行、公的資金の注入があればもっと早い段階に金融危機を克服できたはず)、デフレの怖さを政府自身が十分に理解していなかったことです。これが第3点になります。

 第4点は法人税の引き下げ、円高是正など企業の国際競争力を高める施策をまったく打ち出さなかったことです。たとえば、日本の法人税の実効税率は約41%ですが、シンガポールは17%、韓国は24%、中国は25%、ユーロ16カ国(平均値)は23%、世界平均は26%です。加えて、円高です。これでは輸出関連の製造業は「出ていけッ」といわれているようなものでしょう。実際、主力製造業は生産設備の4~5割を海外に移しました。これは雇用と購買力を奪うのです。

 だからこそ、思い切って政策を断行できる政治の安定が不可欠だと主張しているのです。そういった意味では7月の参院選が大きな焦点になります。連立は避けられませんが、党利党略だけの“野合”はやめてもらいたいと思います。

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