昔々、中国のある村に、一人の天才少年がおりました。
その少年は、友人達からも尊敬されていました。
ある日、その少年は、一人の友人から次のようなことを言われました。
「たしかにお前は天才だけど、あの山に住む仙人様には、かなわないだろうな。」
そう言われて悔しかった少年は、自分の方が賢いということを、なんとか
友人達に証明したいと思いました。
そして、山で小鳥のヒナを見つけてきました。
友人達を集めた少年は、こう言いました。
少年「今から、この小鳥のヒナを持って仙人のところに行くぞ。」
友人「それで、何をするんだ?」
少年「仙人を打ち負かしてやるのさ。」
友人「どうやって?」
少年「ヒナを両手で隠して、仙人に『手の中のヒナは生きてるでしょうか?
死んでるでしょうか?』って聞くんだよ。仙人が『死んでる』って
言ったら、『生きてるよ』って言って見せてやるのさ。」
友人「じゃー、仙人様が『生きてる』って言ったら?」
少年「そうしたら、俺の手の中で、こっそり親指でヒナのクビをギュッと
やれば、5秒で死んじゃうだろ。そして、『死んでるよ』って見せ
てやるのさ。」
友人「なるほど、仙人様はどっちを答えても不正解になっちゃうのか。や
っぱりお前は天才だ。」
少年は友人達を引き連れて、山の仙人のところにやって来ました。
そして、ヒナを両手で隠して、勝ち誇った顔で言いました。
「仙人様、僕の手の中のヒナは、生きてるでしょうか?死んでるでしょうか?」
すると仙人は、すべてを見透かした顔でニコッと笑ってこう言いました。
「少年よ、その答えは君の手が握っている!」