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写真小話

私が撮影しながら散歩した備忘録的な記録

2023.01.26

路面電車に乗ってみたくなった。

正確には都電荒川線に乗って散歩に赴きたくなったのだ。

理由は些細な事だけど、ある作家のエッセイを読んていたら都電荒川線に乗るくだりが出てきて、それがとても趣深い描写であったので、同じ思いをしてみたくなったのです。

山の神も行く事になったのだけど、山の神と都電荒川線に乗るのはちょい先の週末にすることにして、その前哨戦って言っちゃあナニだけど、東急の世田谷線に乗って散歩に出掛ける事にした。

現在、私の住んでいる周辺地域で残る路面電車は都電荒川線と東急世田谷線だけである。

これまで世田谷線沿線に全く用事がなかった、なので乗ったことがない。

北側の始発駅である下高井戸駅を目指す。まず東横線で渋谷に行って井の頭線に乗り換える、次は明大前駅にて京王線に乗り換えて一駅で下高井戸駅、たいして遠い訳じゃないけどちょっと行きにくい感じ。

世田谷線のりばへ向かうと…

ちょうど入線するところであった、世田谷線って2両なのね。

始発駅に収まる世田谷線、路面電車らしくかわいらしい佇まいである。

改札みたいに設置してあるICカードリーダーにスイカをタッチして車内に乗り込む。

一人掛けの小さな座席が両サイドに一方向を向いて設置してあってこじんまりした印象。

平日の昼間なので、ガラガラだろうと思ったけど結構乗客が乗ってきました。

数人立ち乗りする程度に充填されて発車となった。

車内は平日の昼間のせいもあるけど、どことなくのどかな雰囲気が漂ってました。

先ずは2駅先の山下で下車する。

下車するときにちょっとした問題が発生した。

世田谷線の運賃支払いルールを知らないまま乗り込んでしまい、えっと…駅(停留所)にICリーダー見当たらないけど、運転席脇のバスの運賃箱みたいなヤツにタッチするんだろうか…

でも運転席側は入り口専用になってるみたいだし…

しょうがねぇから、運転手さんに聞くかと思ったところで、下高井戸駅入り口でタッチしたあの時に支払いが完了していたと気づいた。

全線一律150円だって、やすいなぁ。

山下は小田急線の豪徳寺駅のすぐそばで、ちょっと下町っぽい風情のある商店街を南へ歩く。

あるいてほどなく登場した蕎麦屋に立ち寄り蕎麦と丼のセットを食す。

蕎麦と丼のセットを食ってお腹いっぱいになった所でさらに南へ進み、豪徳寺へ。

このお寺は井伊直弼が猫に招かれて立ち寄った所、途端に豪雨となった事から、猫のおかげで難を逃れた事を喜んで、このお寺を井伊家の菩提寺にしたといういわれがあるので、井伊家の菩提寺&招き猫で有名なお寺です。

でも実はこのあたりは室町時代は吉良家の出城があった場所で、豊臣秀吉が小田原城を落としたときに、接収された経緯があるのです。

仏殿と三重塔、硬派な印象です。

井伊家の菩提寺だけあって立派なお墓群がありました。

梅の枝が一本手向けてありました。

そしてこのお寺を有名たらしめている物として

大量の招き猫があります。

ここの招き猫は白猫で、小判とか持っていないのが特徴です。

商売繫盛じゃなくて、健康とラッキーを招いているのでしょう。

大小さまざまに奉納された招き猫たち、なんかかわいいね。

豪徳寺は参道の松並木もきれいです。

豪徳寺を後にして、すぐそばにある世田谷城址公園へ。

先ほどの話の続きになるけど、武蔵吉良氏の城の跡を整備して公園にしたもの。

吉良氏といえば、赤穂浪士だけど討ち入りされたのは三河の吉良氏。

三河の吉良氏は討ち入りされちゃって絶えちゃったので、武蔵の蒔田氏に吉良氏を継がせたみたい。

蒔田氏ももとは三河吉良氏と同じなのだけど、江戸時代に徳川に仕える際に、同じ名前を避けて武蔵吉良氏は蒔田を名乗っていたようです。

明治にはいって武蔵吉良氏は士族扱いとなり、房総の長生郡に移住してその後、絶えたか、続いたかは知られていないという…

この歩道も土塁の跡を歩道にしたもの。

土塁と掘割の遺跡、土塁は石垣化されているけど、本来ただの土の壁だったはず。

郭からの眺め。

高さが大したことないので、眺めってほどでもありません。

もちろん室町時代当時を偲ばせるものも何一つなし。

世田谷公園からは、烏山緑道を通って松陰神社へ向かう。

住宅街の中を流れる烏山川が暗渠になったり、ちょっと露出していたりしなから流れる歩きやすくよく整備された緑道です。

この緑道は果ては目黒川になります。

桜の季節に、このあたりからずっと歩いて目黒川まで、そして天王洲まで歩いたら楽しいかも。

かつて硬派で鳴らした大学の中も通って行きます。

大学を過ぎてちょい進んだ所を右に曲がり、一般道へ、そして間もなく松陰神社に到着した。

鳥居が黒い。

そのせいか、きりっと締まった雰囲気のある神社となっている。

吉田松陰という思想家を祀った神社だけあって、質素で硬い感じがします。

欧米の脅威から国家を憂いて、学問、行動を起こすが果たせなかった思想家。

神様になったんだね。

もし、思いが果たせたらその後の日本はどうなっただろうか?

モロに欧米と戦争になって清みたいになっちゃったかもね。

 

松陰神社から、松陰神社前駅までちょろっと歩いて到着。

駅前のパン屋兼ケーキ屋さんで、山の神に頼まれたケーキを買って帰りました。

世田谷線散歩、思ったより楽しめました。

 

おしまい