本の猫の多読多聴生活~bookwormwildcat's extensive reading and listening life~ -2ページ目

本の猫の多読多聴生活~bookwormwildcat's extensive reading and listening life~

本や音楽など、様々なお気に入りたちとの出会いを綴っていきます。

絵本を探しに図書館に行ったところ、
ひな祭りも近いということで、
児童書コーナーでは、ひな祭り関係の本が集められていた。

そこで、目が合ったのが、『りかさん』(偕成社)だった。

りかさん/梨木 香歩

¥1,260
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確か文庫もあったはずだと思った。

りかさん (新潮文庫)/梨木 香歩

¥500
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そして、『西の魔女が死んだ』、『家守綺譚』、『ペンキや』等、
梨木作品とは波長が合っていたことを思い出した。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)/梨木 香歩

¥420
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家守綺譚 (新潮文庫)/梨木 香歩

¥380
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ペンキや/梨木 香歩

¥1,365
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急に、まとめて読みなくなり、
『りかさん』、『からくりからくさ』、
『エンジェルエンジェルエンジェル』を手にした。

からくりからくさ (新潮文庫)/梨木 香歩

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エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)/梨木 香歩

¥380
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何事も急に思い立ってそちらに行くことがままあるのだが、
聴きたい音楽も、食べたいものも、
それでだいたいハズしたことはないような気がする。

そういった勘は信じることにしている。

果たして当たりだった。

こういうものを今欲しかったのだと思った。

彼女の作品の根っこに流れているものは、
今の私が欲しかったメッセージだと思った。

久しぶりにInBookをたくさんしてしまった。

12月2日に更新されたbk1の書評ポータルにて
(毎週金曜日のお昼頃に更新なので、この記事が読めるのは12月9日お昼頃まで。)
ワタクシ、wildcatの書評の文体(というのかな?)をご紹介いただきました。

(引用ここから)

“wildcat”さん”は改行・空行を多用して読みやすさを演出されています。

視力の弱い方や読字障害の方を考慮されているのかもしれません。

(引用ここまで)

書評担当の辻和人さんのコラムは、評者が独自の文体を持っていて、
読まなくても、ぱっと見ただけで誰だかわかるというところからはじまっています。

「個性的な文章上の工夫」が「各々の方の読書に対する態度を明確に示している」と。

そして、このように結ばれています。

(引用ここから)

こうやって見ていきますと、書評とは、
やはり一種の自己表現の手段に他ならないという気が致します。

単に本に対する好悪を示すのではなく、評価に至る過程こそが大事。

そこには唯一無二の「自分」が生き生きとした状態で関わっているから……。

世の中の全てを収める本は、人のこだわりを映し出す対象として最も適したものだと思います。

「文は人なり」という言葉がありますが、書評文は、その最たるものではないでしょうか。

(引用ここまで)

励みになる言葉をいただいたと思いました。

一行にたくさんの文字を入れず、改行を多用するのは、
PC上で読まれる文章というのを想定して、
メールと同じ書き方をしています。

紙媒体の本のような書き方をしてしまうと
PC上では文字が多いように思うので。

そういったささやかなことが少しでも読みやすさにつながっていればよいと思います。

もちろん、文章自体が読みやすいということは大前提ですね。

それは、まだまだ修行中です。

前回、「どんなときも、いつもそばに、本があった。」というタイトルで、
なんとなく淋しい気分だったから図書館で絵本を借りてきた話を書きました。

なんとなく、猫と月が多くなりました。

そして、持っていた「ながいよるのおつきさま」も紹介しました。

ながいよるのおつきさま (講談社の翻訳絵本)/シンシア ライラント

¥1,680
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2年前に書いた書評も一緒に。

12の月が巡って戻ってくる幸せ(『ながいよるのおつきさま』書評)

そうしたら、嬉しいことに、その先日のブログと書評をきっかけに、
『ながいよるのおつきさま』を手にしてくれた方がいて、それをブログで紹介してくれたのです。

「ながいよるの おつきさま」によせて(珊瑚さんの2011年10月22日のブログ)

私の書評は、2年前の2009年10月4日に書かれたものです。

2008年4月10日に大切な人を亡くして、1年半。

あの頃。

絵本の景色が少しずつ回転していて、
1年かけて同じ場所に帰ってきていることに気づいて、泣いていたあの頃。

今はあの頃にように泣きながらこの本を開くことはないけれど、
重ねた時間が、「季節がめぐり、同じ季節をまた迎えることができる幸せ」を
きちんと味わえる人にしてくれたような気がします。

不思議ですね。

あの書評が時を超えて、どこか同じような気持ちを抱えている方と本とを
結び付ける役割を果たしたのですね。

本は時を超えて、作者がもう空の上にいても、今の私たちに語りかけてくれます。

書評も時を超えて、本と人とを結びつける力を持つのですね。

マイペースに続けてきた書評ですが、とても嬉しい出来事でした。