NHK「理想的本箱 君だけのブックガイド」 | 日々是本日

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bookudakoji の本ブログ

 2023年がもう15日目である。

 

 早いもんですなぁ。(笑)

 

 今年は本ネタを増やしていこうと思っています。

 

 ということで今回は、NHK「理想的本箱 君だけのブックガイド」というEテレの本の紹介番組の記事である。

 

【番組紹介】
静かな森の中にある、プライベート・ライブラリー「理想的本箱」。 あなたの漠然とした不安や悩み、好奇心に答えてくれる一冊を、この世に存在する数えきれない本の中から見つけてくれる、小さな図書館です。 これから長い人生を生きていくあなたに素敵なヒントを与えてくれる本を、あなたの心に寄り添って一緒に見つけてゆきます。

※上記公式サイトより引用

 

 公式サイトの過去のエピソード紹介のページでは、

悩み多き10代の漠然とした不安や悩み、好奇心に答える一冊を、世界の数え切れない本の中から見つけてくれるプライベート・ライブラリー

と書かれてるので基本的には若者向けである。

 

 各回毎にテーマが設定されていて、

「理想的本箱」主宰・吉岡里帆

「理想的本箱」司書・太田緑ロランス

「理想的本箱」選書家・幅允孝

という構成で毎回3冊の本が紹介される30分番組である。

 

 第一弾が2021年12月に3回、第二弾が2022年10月から11月にかけて5回放送されている。

 

 昨年の第二弾の放送でこの番組を知ったのだが、2022年11月に第一弾の再放送があったので、これまでの8回分を見ることができた。

 

 選書家となっている幅允孝さんは、主に書店や図書館のプロデュースを手掛けるBACHという会社の代表をしている人で、詳細は下記のリンクを参照されたい。

 

 

 これまで放送された8回のテーマは以下の通りである。

 

・もう死にたいと思った時に読む本
・同性を好きになった時に読む本
・将来が見えない時に読む本
・もっとお金が欲しいと思った時に読む本
・ひどい失恋をした時に読む本
・母親が嫌いになった時に読む本
・父親が嫌いになった時に読む本
・人にやさしくなりたい時に読む本
※初回放送順

 

 まずこれが、番組紹介に書かれていた「悩み多き10代の漠然とした不安や悩み、好奇心」ということにマッチしているかという点であるが、個人的にはなかなか的を射ていると思う。

 

 将来への不安、お金について、生きる意味と生きづらさ、親子関係と恋愛とその他の人間関係についてという範囲で、10代の悩みは概ね網羅されるのではないだろうか。

 

 30分番組で毎回3冊の本を紹介するので、時間配分は1冊につき10分程度である。

 

 更に内訳は、ドラマ仕立ての内容紹介が5分程度、幅允孝さんの選定主旨の話と吉岡里帆さん、太田緑ロランスさんのコメントが5分程度となっておりあり、これが3セットという形である。

 

 残念ながらNHKオンデマンドの配信が終了しており、現時点では他にこの番組を配信しているところは見つからなかったのであるが、一通り見た感想としては各回のテーマに対して「選書のプロがどのような本を選定したか」を知るだけでも有意義であると思われたので、このブログで紹介することにした。

 

 選定されている本のジャンルは小説のほか、エッセイ、詩、専門書、絵本、漫画と多彩であり、自分では探さないような本について知ることができた。

 

 また、自分であったらこのテーマで若者にどんな本を薦めるかと考えてみるのも面白いのではないかと思う。

 

 公式サイトの過去のエピソード紹介のページには各回で選定された本が記載されているが、なぜだか8回のうちの4回分しか記載されていないので、以下に8回分の選定書を挙げてこの記事を終わる。

 

 尚、来月以降は各月の最初の記事で、この番組を1回分ずつ順に取り上げていく予定である。

 

 

 NHK「理想的本箱 君だけのブックガイド」選定書一覧

 

・もう死にたいと思った時に読む本(初回放送日:2021年12月9日)
 深沢七郎「人間滅亡的人生案内」河出文庫(2016)
 村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」朝日文庫(2015)
 若松英輔「悲しみの秘儀」文春文庫(2019)

・同性を好きになった時に読む本(初回放送日:2021年12月16日)
 田亀源五郎「弟の夫」(1)アクションコミックス(2015)※全4巻
 アビー・ワンバック「わたしはオオカミ 仲間と手をつなぎ、やりたいことをやり、なりたい自分になる」海と月社(2020)
 砂川秀樹「カミングアウト・レターズ」太郎次郎社エディタス(2007)

・将来が見えない時に読む本(初回放送日:2021年12月23日)
 伊藤比呂美「女の一生」岩波新書(2014)
 斉須政雄「十皿の料理(御馳走読本2)」朝日出版社(1992)
 茨木のり子「永遠の詩02 茨木のり子」小学館(2009)

・もっとお金が欲しいと思った時に読む本(初回放送日:2022年10月1日)
 森茉莉「贅沢貧乏」講談社文芸文庫(1992)
 五味太郎「買物絵本」ブロンズ新社(2010)
 ヤニス・バルファキス「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」ダイヤモンド社(2019)

・ひどい失恋をした時に読む本(初回放送日:2022年10月8日)
 武者小路実篤「お目出たき人/世間知らず」岩波文庫(1954)※新潮文庫版(1999)もあり
 角田光代「くまちゃん」新潮文庫(2011)
 川端康成「掌の小説」新潮文庫(2022)

・母親が嫌いになった時に読む本(初回放送日:2022年10月15日)
 小野春「母ふたりで“かぞく”はじめました。」講談社(2020)
 よしながふみ「愛すべき娘たち」白泉社(2003)
 宮地尚子「ははがうまれる」福音館書店(2016)

・父親が嫌いになった時に読む本(初回放送日:2022年10月22日)
 ジェーン・スー「生きるとか死ぬとか父親とか」新潮文庫(2021)
 カトーコーキ「そして父にならない」イースト・プレス(2021)
 色川武大「百」新潮文庫(1990)

・人にやさしくなりたい時に読む本(初回放送日:2022年11月5日)
 白尾悠「サード・キッチン」河出文庫(2022)
 伊藤亜紗「手の倫理」講談社選書メチエ(2020)
 笹井宏之「えーえんとくちから」ちくま文庫(2019)