映画「127時間」は、登山家アーロン・ラルストンの実話を「スラムドッグ$ミリオネア」ダニー・ボイル監督が映画化した作品である。
製作は2010年、アメリカ・イギリス合作映画である。
ロッククライミングへ行ったアーロンが谷間に落下して身動きが取れなくなった事故から生還するサバイバル映画であることは事前に確認済みだった。
127時間の意味は、事故に遭ってから救出されるまでの時間であった。
この手の映画は観る方もしんどいことがあるので、観るタイミングを選びたい。
この作品も十日ぐらい前のテレビ放映を録画した後で、観るタイミングを選んでいたのである。
観始めて最初の30分弱が経過した時点で、既に一時間以上観続けたように感じられた。
この段階ですでに、「観る方も辛いぞ、これは」と思わされる流れである。
実際に一時間が経過した時点で、「これ以上、無理に観なくてもよいかもしれない」と思った。
しかし、これは商業映画作品だから最後まで「ただしんどいだけの純粋なドキュメンタリー作品ではない筈だ」という想いになんとか希望を見出した。
観終わった後に作品から感じたメッセージはこうだった。
「人を殺すのは、孤独と絶望である。」
このコロナ禍の社会状況を考えた上でこの作品が選ばれたのかどうかは定かではないが、今観るべき映画の候補として挙げておきたい。
孤独と絶望が人を殺すということは、字面で見ると当たり前に感じられるかもしれないが、このコロナ禍の中で人は案外あっさりと社会的あるいは経済的に孤立してしまうのではないだろうかと思う。
しかしながらそれは127時間の物語として完結するわけではないので、気が付きにくいかもしれない。
そして孤独の中で本当にもうダメそうでも、希望は人を救う。
食料も誰かの言葉もその時には人を救うが、本当に人を救うのは希望である。
これもまた気が付きにくいかもしれない。
極端な例だからわかりやすいということがあるだろう。
この作品は真に、孤独と絶望が人を殺し、他者と希望が人を生かすというメッセージを伝えるための極端な例であった、というのがこの作品全体についての感想である。
▼予告編(ショートバージョン)はこちら
---以下、ネタばれあり注意---
DVDパッケージの写真は遠目から撮った写真だが、
Blu-ray のパッケージには近接撮影の写真が使われている。
この後、谷間にアーロンの上にこの丸い岩が落ちてくる。
▼登山家アーロン・ラルストン本人のインタビュー動画はこちら
▼登山家アーロン・ラルストン本人の原作本「奇跡の6日間」
▼主演を務めたジェームズ・フランコのインタビュー動画はこちら
▼予告編(ロングバージョン)はこちら