100分de名著 マルクス・アウレリウス「自省録」(2019年4月) | 日々是本日

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【公式】100分de名著:86「自省録」

※「100分de名著」は各回 25分×4週 = 100分 で毎月一冊の名著を紹介するNHKの番組である。

 

2019年4月の「100分de名著」はマルクス・アウレリウス「自省録」だった。

 

「自省録」は今から2000年近く前に書かれた本であり、著者は第16代ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスである。

 

内容はタイトルの通り、自分の内面を見つめ己を律する言葉が綴られた手記である。

 

またまた古典であるが、この本が西洋の古典中の古典であるかどうかは残念ながらわからない。

 

公式サイトには「人生についての洞察あふれる名著」とあり、「『人生いかに生きるべきか』『困難に直面したときどう向き合えばいいのか』といった現代人にも通じるテーマ」を考えるのであるという。

 

 

第1回を観て、哲人君主という考え方に驚いた。

 

君主は哲学を実践する者でなくてはならないという考え方である。

 

実際に哲人君主として生きたアウレリウスは哲人皇帝と呼ばれたという。

 

政治学には詳しくないが 孔子が標榜していた徳治主義とも見ることができるのではないだろうか。

 

また、宇宙の知性である理性=ロゴスが人間ひとりひとりの中にもあるという考え方は、宇宙の法則は我々の内にもありそれは仏性であるとする仏教にかなり近いように思われる。

 

しかし、ここでの「宇宙の法則」=「宇宙の知性」ではないだろう。

 

現代の西洋文化と東洋文化の違いは、既に2000年前から始まっているこの違いの結末と見ることはできるだろうかと、思わずにはいられない。

 

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各回のタイトルは以下の通りである。

 

第1回 自分の「内」を見よ
第2回 「他者」と共生する
第3回 「困難」と向き合う
第4回 「今、ここ」を生きる

 

解説者は哲学者の岸見一郎さん。

 

原典の岩波文庫版の翻訳者は神谷美恵子さん。

 

 

▼岩波文庫版(翻訳:神谷 美恵子)

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100分de名著 マルクス・アウレリウス“自省録” 第1回「自分の“内”を見よ」