アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」
第16話 感謝の念
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
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結婚式での新婦の父のスピーチの話である。
---あらすじ---
新婦の父は新郎に、娘のことを愛しているか尋ねた。
新郎は「もちろんです」と答えた。
新婦の父は更にこう言った。
「何年かたったら娘のよくない所が目に付いてくるだろう。」
「その時には、そのよくない所がなかったら他の男と結婚していただろう
ということを思い出して欲しい。」
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これもまぁ、またまた2枚の不揃いなレンガに通じるところがあるが、
難題婿と言われる話が思い出された。
日本の昔話の分類には「難題婿」というカテゴリーがある。
求婚する男性に、相手の女性または女性の親が難題を出すという話である。
有名なのは「竹取物語」(今昔物語集 竹取翁)かと思う。
こういった話は基本的に教訓話であるが、教訓の解釈は幾つかある。
個人的には、「あぶく銭は身につかない」の人間関係版であるという解釈は、
なかなか良いのではないかと思っている。
つまり、「労なくして得たものは捨てられ易い」という教訓のために、
難題が設けられるという解釈である。
これは求婚する男の側にもメリットがあるだろう。
少なくとも難題にチャレンジするくらいでなければ考えなおした方がいい。
文化が違えは教訓話も違うものだと思ったが、
今、自分の許にいてくれることの有難味を忘れないという点は共通している。
タイトルの「感謝の念」は、その有難味に対するものだろう。
マインドフルな心は、いつでも「ありがとう」と言う。