アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」
第3話 終わったことは終わり
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
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タイの南部で、ある僧が寺にホールを建築していた時の話である。
---あらすじ---
タイでは7月から10月は雨期である。
工事半ばで雨期に入ったため作業は中止された。
訪れた客が「ホール」はいつできるのかと訊くと、
僧侶は「もうできた」と答えた。
納得できないでいる客に僧侶は、
「終わったものは終わったのです」と言った。
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目標達成志向の人がドキッとするような話ではないかと思う。
「できた状態」とは、即ち、「できるところまで進めた状態」であるという認識に立てば、
物事は終わりにしたところが終わりである。
著者は最後に、こうしなければ仕事は永遠に終わらないと言っている。
物事は自ら終わらせば終わりだし、
自ら終わらせなければ永遠に終わらないのである。
こんな話が思い出される。
物事はいつ終わるのか。
諦めた時である。
この意味で、2つの不揃いなレンガの話を考えれば、
そこが気になり続けている間は、
壁を作るという作業は終わっていなかったのである。
マインドフルな心は、とらわれずこだわらず自ら終わりを告げるだろう。