NHK「白熱教室」シリーズ、今回は「プレゼン白熱教室」の後編である。
講師はスポーツ・コンサルタントのニック・バーリー氏。
2020年東京オリンピックを決めたオリンピック委員会(IOC)総会での、
日本のプレゼンテーションを指南した人物として知られている。
各回は50分程度の講義で、タイトルは下記の通りである。
前編「世界で勝つための“プレゼン・7つの鍵”」
後編「実践!プレゼンはこうする」
講義は慶応義塾大学大学院で行われ、
後編では大学院の学生によるプレゼンの実践となっている。
(前編についてはこちらを参照:NHK「プレゼン白熱教室」ニック・バーリー 前編)
プレゼンの設定条件は下記の通り。
1チーム5人で持ち時間は15分。
テーマは「オリンピックのために日本を訪れた人が最後の1日を過ごすなら」
候補の内容は標準的なツアーの内容としては含まれにくいもの。
具体的には「銭湯」、「居酒屋」、「夏祭り」、「デパ地下」、「禅寺」、「駅弁」。
どの候補をプレゼンするかはくじ引きで決める
そのまま観るだけでも楽しめるテーマ設定であるが、
こうした実践の結果とそれについての批評は、
優れた教材でもある。
前編で紹介されたコツを思い出しながら、
「聴衆をどう見るか」
「自分ならそれぞれについて、何をどう提案するか」
「質問についてどう答えるか」
「印象的だったのはどのプレゼンか?」
「そのプレゼンが印象的だったのはなぜか?」
こうしたことを考えながら観ることによって教育的な価値が高まる。
しばしば映像を止めて自分の考えを書き留めてながら観ると効果的である。
番組の時間が55分であるために、
各チームのプレゼンが一部の紹介となっているのが残念であるが、
是非、実際のプレゼンをご覧いただきたいと思う。
審査員のコメントおよび批評の部分では、
テーマとなっていることをしっかりと説明する、
話すスピードをコントロールする、
聴衆を見るといった点が指摘されており、
やはり基本的な事が非常に重要であると感じた。
また、チームでプレゼンする場合の注意点も指摘されていた。
・同じフォルダを持ってチームをアピールする。
・一人は映像担当にまわってスピーカーは常に前を向いて話すようにする。
・その時のスピーカーでないメンバーは(メモなどを見ていたりせずに)、
話をよく聞いて頷くというアクティブ・リスニングを行う。
チームでプレゼンすることが少ないと気づきにくい点である。
こうした各チーム対抗形式の場合は、それぞれ違った趣向になるのが面白い。
個人的な体験の写真の活用、小道具の活用、5か国語での挨拶など、
色々なアイデアが参考になった。
------------------------------
NHKの番組紹介ページは下記
NHK for School-NHK - 番組紹介 - 白熱教室海外版 プレゼン白熱教室