一〇三歳になってわかったこと 第四章 時宜 | 日々是本日

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この項のタイトルは「どうして傲慢になれましょうか」と「生かしていただいている」である。

 

篠田さんのご兄弟は若くして亡くなられている。

逆らえない運命というものを感じたと言う。

篠田さん自身も終戦の翌年に肺結核になる。

絶望したが、その時に女医さんが「治りますよ」と言った。

ドクターは医学的見地から事実を述べたのだろうが、

この時の「治りますよ」という言葉はまさに、

時宜に適っていて、

篠田さんに希望を与えたと言う。

 

同じ言葉であっても、

そこから感じられる自分自身にとって意味合いというのは、

状況と文脈によって随分と違うものである。

 

その時に必要な言葉、

これにうまく出会うというのにも、

何か運命を感じる。

 

傲慢に生きていては出会えないのかもしれない。