ソロー「森の生活」は、私の人生テキストの一冊。
ソロー(Henty David Thoreau, 1817-1862)は、
アメリカ人の作家、思想家、詩人として紹介されているが、
生計を立てていたのは教師や測量の仕事のようである。
ソローは1845年7月4日から2年2ヵ月にわたって、
ウォールデン湖のほとりの小屋で自給自足の生活を行った。
「森の生活」はそこで自然と共に生きた、ソローの生活記録である。
それはまた、実践を伴った哲学の生きた記録でもあった。
原典の出版年は1854年である。
上巻から一節紹介する。
「見るべきものをつねによく見る、という訓練に比べれば、たとえその内容がどれほどみごとに選ばれたものであろうと、歴史、哲学、詩などの講義は取りに足らないし、最高のひとびととの交際、あるいはこのうえなく立派な平素な暮らしぶりなどにしても同様である。」(飯田 実 訳,p201)
この一節は私に、物事の意味について教えた。
▼岩波文庫版(飯田 実 訳)
森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)
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※湖周辺の写真が収められている。
上巻からもう一節紹介する。
「迷子になってはじめて、つまりこの世界を見失ってはじめて、
われわれは自己を認識しはじめるのであり、また、われわれの置かれた位置や、
われわれと世界との関係の無限のひろがりを認識するようになるのである。」(飯田 実 訳,p304)
この一節は私に、
「哲学は実践的でなくてはならない。」
ということを教えた。
▼岩波文庫版(神吉 三郎 訳)
森の生活―ウォールデン (1979年) (岩波文庫)
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※この1979年版は1951年出版の改版で、かなり昔から読まれていたことがわかる。
下巻から一節紹介する。
「魂の必需品を購うのに金はいらない。」(飯田 実 訳,p285)
この一節は私に、物事の価値について教えた。
森の生活〈下〉ウォールデン (岩波文庫)
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