日本の言葉の由来を愛おしむ 一章 静か | 日々是本日

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bookudakoji の本ブログ

「静か」とは音をたてないことではなくて、

注意を向ける現象がないこと。

著者は芭蕉の句を例に挙げている。

 

閑さや岩にしみ入蝉の声 (芭蕉)

 

蝉の声はしているがそれは光景の一部であり、

特に注意を引くものではないから静かなのだと言う。

 

だから「静かにせよ」とは、他の人が注意を向けてしまうような

ことをするなということである。

 

「静か」とは心の動きを表した言葉でした。

周りに工事の騒音が響いていようとも、

気にならないほど集中していれば私の心は「静か」である。

 

著者はもう一つ、人は外に注意を向けない時、

自らを見つめると指摘している。

静かなところで瞑想していると、湧き出す雑念に注意が振り回されるのを経験する。

周りに音がなくても私の心は「静か」ではないのだ。