「湯」という言葉が日常的すぎて、
それほどの由来があるのだろうかと思ったが、
いらぬ心配だった。
英語圏には「湯」に相当する語はなく、
Hot Water 、つまり「熱い水」。
「ゆ」という音は日本語では優しく柔らかい音。
「湯」をこの一音で「水」とは別の言葉とした日本人にとって、
ただの熱い水であるはずがないと言う。
著者はこの「湯」の想いの中には、
温泉があるのではないかと指摘している。
個人的には、人に適した熱さの水には親しみが感じられ、
日本人の感性として「水」とは違う語で表さずには
いられなかったのではないかと感じた。