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1,980円
幕末に実在した伝説の棋士、天野宗歩を題材にした
谷津矢車の新作です。
先日、有吉佐和子の「悪女について」を
こちらで紹介しましたが、
この小説も本人が出てこず、周囲の21人の人による
証言で成り立っていて、宗歩の謎めいたキャラクターが
伝わってくるようになっています。
宗歩の実際の棋譜も掲載されていて、
将棋がわかる人なら時代を超えた臨場感が
感じられるのではと思います。
宗歩がなぜ殺されなければならなかったのか、
ページを進むごとに少しずつ宗歩の人生の軌跡が
明らかになっていきます。
将棋の駒の角行のような素早く相手を制する棋風そのままに、
駆け抜けるように将棋の世界を生きた宗歩の人柄は
まさに天才と呼ぶにふさわしいです。