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792円
海上保安庁の現場トップ(警備救難監)を務めた著者が、
現場の視点から、尖閣諸島問題の現状と、今後の対応策についての
提言をまとめた本です。実務者の本なので、法律にも精通し、
日本がとるべき手段を的確にとらえていると感じました。
今年2月に施行された中国の海警法は、合法的に尖閣諸島を
中国の実効支配化におこうとする、したたかな法律です。
日本はそれに対して国際法を遵守し、関連法案を整備しながら
冷静に対応しなくてはなりません。
ともすると「やられたらやり返せ」のような意見も見られますが、
それこそ中国政府の思うつぼになってしまいます。
よく台湾は親日だということが言われますが、
尖閣諸島問題については、台湾の中にも日本の領有に対して
反対する活動家が大勢います。この本を読んで、尖閣諸島問題が
起こった発端はそもそも蒋介石であったことがわかり、
なぜそうなのか、うなずけました。アメリカに中立政策を放棄するよう
提言しているのも、この本の特徴と言えます。
尖閣問題を正しく理解するために、ぜひ読むべき本だと思います。