尖閣問題の現状と展望 | ブックスタマ社長の自腹読書日記

尖閣問題の現状と展望

海上保安庁の現場トップ(警備救難監)を務めた著者が、

 

現場の視点から、尖閣諸島問題の現状と、今後の対応策についての

 

提言をまとめた本です。実務者の本なので、法律にも精通し、

 

日本がとるべき手段を的確にとらえていると感じました。

 

 

今年2月に施行された中国の海警法は、合法的に尖閣諸島を

 

中国の実効支配化におこうとする、したたかな法律です。

 

日本はそれに対して国際法を遵守し、関連法案を整備しながら

 

冷静に対応しなくてはなりません。

 

ともすると「やられたらやり返せ」のような意見も見られますが、

 

それこそ中国政府の思うつぼになってしまいます。

 

 

よく台湾は親日だということが言われますが、

 

尖閣諸島問題については、台湾の中にも日本の領有に対して

 

反対する活動家が大勢います。この本を読んで、尖閣諸島問題が

 

起こった発端はそもそも蒋介石であったことがわかり、

 

なぜそうなのか、うなずけました。アメリカに中立政策を放棄するよう

 

提言しているのも、この本の特徴と言えます。

 

尖閣問題を正しく理解するために、ぜひ読むべき本だと思います。