アルバート、故郷に帰る
結婚したばかりの両親が
ウェストバージニアの炭坑町から
ワニのアルバートを、故郷のフロリダまで
連れて帰った実話をもとに、
その道中を描いた小説。
アルバートはワニですが、人にとてもなついていて、
簡単な会話なら理解している様子で
物語の重要な登場人物の一人を演じています。
ただワニを連れて帰るだけかと思ったら
どこからどこまでが実話で、
どこからが創作なのかわからない、ぶっとんだ内容。
旅の途中でアメリカン・ドリームをすべてかなえてしまいます。
旅を始めようという時、
妻のエルシーは夫のホーマーに対して
すでに幻滅を感じているのですが、
旅の間もずっとその幻滅をひっぱっていきます。
男と女の考え方の違いという、誰もが持つ悩みが、
奇想天外なこの物語を、現実につなぎとめています。
先日翻訳者の金原瑞人さんにお会いする機会があったので
感動をじかに伝えることができました。