『心の調べ』 宮城道雄 | ブックスタマ社長の自腹読書日記

『心の調べ』 宮城道雄

昭和31年、ひとりの音楽家が亡くなった。列車からの転落死だった。列車から転落するというのは尋常ではないが、おそらくその盲目の音楽家は死神に魅入られたのであろう。その音楽家は宮城道雄「水の変態」や「春の海」を作曲した箏の奏者である。その宮城道雄がエッセイを残していたとは初耳であった。耳から感じた世界が淡々と描かれているが、その鋭敏で含蓄のある感覚は、他の人には表現できないであろう。彼は足音を聞けばその人が女か男かは勿論、美人かどうかまでわかってしまうという。今度から美人が前を通ったら、人並みな人との音の違いは何なのか、足音をしっかり聞いてみようと思う。著者: 宮城道雄出版社: 河出書房新社サイズ: 単行本ページ数: 210p発行年月: 2006年08月楽天ブックスへ↓ランキングサイト登録中。この記事を気に入ったら1日ワンクリックしてください人気ブログランキング【ブログの殿堂】にほんブログ村 本ブログへレビュープラス