『となり町戦争』 三崎亜記 | ブックスタマ社長の自腹読書日記

『となり町戦争』 三崎亜記

国家が戦争に向かって突き進む時、私たちははたして反対することができるのだろうか?太平洋戦争時の我々の祖先や、今も戦争を起こしている国の人々はおそらく、戦争に賛成するとか、反対するとか、選択する感覚すら持ち得なかったのではないか?主人公の住む平凡な町は、ある日突然となりの町との戦争を宣言します。戦争にもかかわらず、町は普段と変わらぬ平穏さを保っていますが、市報の戦死者数は着実に増えていきます。そして主人公のところにも、いかにもお役所然とした「戦時特別偵察業務従事者」の任命書が届きます。かつてホッブズは国家をリヴァイアサンという怪物に例えました。今の日本のように平和な時においても、国家は戦争の時と変わらず、平気で人の自由を束縛し、その命を奪う凶暴性を持ち合わせていることも感じさせられます。出版社 集英社 著 者 三崎亜記 税込価格 500円(本体476円+税) 楽天ブックスへ↓ランキングサイト登録中。この記事を気に入ったら1日ワンクリックしてください人気ブログランキング【ブログの殿堂】にほんブログ村 本ブログへ