黒柳徹子 講談社文庫 (1981)1984
今年、映画化もされていた「窓ぎわのトットちゃん」は、子供の頃に読んだ覚えがあった。
さらに続編も出版されたというのも聞いていて、もう一度読んでみようと思って、図書館で借りてみた。
子供の頃も、こんないい学校があったらなというような視点とか、戦争ってよくないなという視点で読んだような覚えはあったのだが、大人になってから読むと、また違った一面が見えてきたように思う。
トットちゃんは小学校を退学になり、自由な学校・トモエ学園に転向する。そこは小林宗作先生が始めた学校で、非常にユニークな教育を行っていた。
もちろんこのトモエ学園も素晴らしいなと思って読んだのだけれど、私がすごいと思ったのは、トットちゃんのお母さんである。
私がトットちゃんのような子供の親だったら、このように大らかには育てられず、なんだか否定的になってしまったように思う。
素晴らしいご両親に囲まれて、素敵な子供時代を過ごされたんだろうなと思った。
もちろん時代が違うのもあるのかとは思うのだが。
そして、戦争によりトモエ学園が焼けてしまい、もう一度自分の学校を作るという夢をかなえることなく亡くなってしまわれた小林先生のことを思うと、無念さがこみあげてくる。
続編のほうも図書館で借りる予定になっているので、楽しみに待ちたいと思う。