「価値がわかる宝石図鑑」 (諏訪恭一 ナツメ社)
つい先日、「鉱石の標本」というものをもらいました。
12種類の石が並んでいます。が、
説明書の名前と印刷が不鮮明で
ひとつひとつの石の名前がわからない。
私は、鉱物とか鉱石とか天然石とか宝石とか
そういう言葉の違いもわからない素人なので
ネットで調べても欲しい情報に
なかなかたどりつけませんでした。
鉱物の名前、その和名、色の範囲、
同じグループのもの、見ため目は同じでも違うもの、
見た目は違うのに同じもの。
結晶。
研磨する前のなめらかな姿や
カットされたあとの宝石の姿。
そういうものを全部見渡せるような
わかりやすい本を探しまわって
たどりついたのがこの本。
知りたいことが全部のっていて
何より写真がほんとうにきれいで
寝る前に眺めていると
質のいい夢を見ます。
ある石が、長い長い時間の果てに
今、自分の手元にきているという偶然性、とか
身を飾るものとして
誰かから誰かへと手渡される
御縁のありがたさ、とか
そういうことの価値がわかるようになると
鉱石の標本も、形見の帯留めも
存在感がぜんぜん違うものになりました。
新しい興味の引き出しが開き始めるときの
気持ちのいい状態を味わえる一冊。