東京タラレバ娘 | BOOKROOM

BOOKROOM

本と本屋が大好きな私の、おすすめする本です。

「東京タラレバ娘」   (東村アキコ 講談社)

 

最近興味深く観察しているのは

「いつもレジの列が短い、ある店員さん」です。

私が週数回行くスーパーは、レジが8台あり

いつも行く曜日と時間帯が決まっているので

並んでいる店員さんの顔ぶれもほぼ同じです。

そして、その中で彼女のレジの列は

いつも短い。

お客さんたちが、何となく避けているのです。

 

私も何回か対応してもらってから

この人のレジは避けています。

商品を扱うときの手つきや

表情や話し方が雑なのです。

彼女が、仕事にいらだちや不満を抱えているのが

ほんの数分向かい合うだけで感じられます。

 

こういう、「顔と仕事が投げやり」という人は

職場に何人もいました。

この仕事が好きでもないし、合っているわけでもないけれど

最後にたどり着いたのがこの職場なので、

辞めるわけにもいかないからここにいる、

という瘴気のようなものが漂う感じ。

 

考えてみると、

自分自身が学校で進路指導をされたとき

女として、この国で、穏やかな気持ちで生きていくための

武器とか戦略を語られたことはありませんでした。

公務員で教員で男の人たちには

そんな話は無理だ、とも思います。

 

このマンガ。

名作との評判は聞いていましたがなかなか手に取らず、

試しにブックオフで一巻だけ買ってびっくりし

翌日には書店で既刊全部買いました。

女の人が、働いて、努力して、30になって、

そして抱える気持ちをこんなにきちんと描いてくれるとは。

結婚していない女の人にも、

結婚している女の人にも。ぜひ。