小説家の男が主人公の話がひとつ、女を殺した男が主人公の話がひとつ。

小説家の男は、知り合いの女に相談を持ちかけられる。昔付き合っていた男が既婚者になった今ストーカーと化して、脅迫めいた手紙を送ってくるという内容である。その男は小説家で、家から出ないことで有名だった。男が家から出ないので、妻が代わりに出版社などとやりとりしていた。しかし、一年以上前突如姿を消した。その後女の夫が川の中で水死体で発見される。数々の証拠により、主人公は手紙を送ってきたのは夫で、小説家の名前を借りていただけだと推測する。そして、川の中で死んだのは事故と推定する。更にそのあと、男の推理で全ては女の自作自演という答えを主人公は出す。夫が海外出張に行ったとき、女は家を借りて小説家をやっていた。そう、小説家の正体は女で、家から出ない小説家の男は存在せず、男の妻の正体が女だった。夫が家に帰ってきたタイミングで小説家を辞めて男を殺す計画を練る。自分の味方を作るために主人公に近づき、自分で手紙を書き夫が自分に酷いことをやったと思わせる証拠を残す。ついに、夫を川に突き落とし実行に至った。その後、推理が当たったショックからか女は自殺した。主人公の推理すらも、常に一度外れているため。本当に女の自作自演なのかはわからなかった。

なんとも謎が漂うラストです。登場人物全員異常者の素質があります。女をムチで打ったしまった主人公。おそらく自作自演していた女、女の言動以前に、bvをしていた男。この3人が集まってこそ、この劇はできたのでは。

女を殺した男の話は現実にありそうでびっくりしました、小学生時代好きだった子を嫉妬と愛憎が祟って殺してしまった男。その後、男は死体とある意味心中しました。メンヘラの極致ですね。