
トルストイ
訳:望月哲男
『戦争と平和4』
2021年1月20日 初版第1刷発行
読書会課題本
4巻はトルストイの語りが強くなる。
ちょっとクドいけと言いたいことは分かる。
ナポレオンの動向が気になるもどうしてもロシア目線は否めない。
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祖国ロシアの一大危難! 未曾有の大決戦の勝敗を分けたのは?
ピエールの戦場体験は、とりわけ印象的です。すなわち短時間のうちに美、親密さ、活気、恐怖、 間近な死、暴力のおぞましさを経験し、『いや、 もう彼らはこんなことをやめるだろう』という感慨を抱きます。このような感覚とその描写のタッチは、さらに後年のトルストイの非暴力論につながるものです。
ナターシャと破局後、軍務に復帰したアンドレイは、途中、父の領地への敵の接近を報せるが、退避目前で父は死去し、妹マリヤは領地農民の反抗にあう。一方ピエールは、戦争とは何かを探ろうと戦地へ向かう。モスクワに迫るナポレオンと祖国の最大の危難に立ち向かう人々を描く一大戦争絵巻
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トルストイ『戦争と平和』 全登場人物事典 など | 「ひとりの国語」
■ボルコンスキー家
アンドレイ
知性と高潔さを求める貴族
ナターシャとの婚約破棄後、戦場へと戻り、ボロジノの戦いで重傷を負います。負傷兵として収容された先で、ナターシャと再会します。苦しみの中でナターシャの献身的な看病を受け、彼女を許し、愛を再確認しますが、最終的にその傷がもとで命を落とします。彼の死は、個人的な運命が歴史の大きな波に飲み込まれる悲劇を示しています。
ニコライ公爵
厳格で気難しい老将軍 アンドレイの父
ナポレオン軍の侵攻が迫る中で、自領地で亡くなります。彼の死は、旧世代の貴族社会の終焉を象徴しているとも言えます。
マリヤ
敬虔で愛情深い公爵令嬢 アンドレイの妹
父と兄アンドレイの死という二重の悲劇に直面しながらも、信仰心と精神的な強さで困難に立ち向かいます。ニコライ・ロストフとの関係が深まり、物語の終盤で彼と結ばれる運びとなります。彼女とニコライの結婚は、荒廃した貴族社会における希望の象徴として描かれます。
■ロストフ家
ナターシャ
天真爛漫な少女
アナトール・クラーギンとの騒動で精神的に疲弊しますが、ピエールやアンドレイとの再会、そして傷ついたアンドレイへの献身的な看病を通じて精神的に大きく成長します。モスクワが焼かれる中で、家族と避難する経験が、彼女の価値観を変化させます。
ニコライ
楽天的な性格 ロストフ家の長男
莫大な借金を抱えるロストフ家を救うため、財産のある結婚相手を求めるようになります。戦場での経験を通じて、軍人としての成長を遂げ、モスクワからの撤退戦においても活躍します。父や末弟ペーチャの死など、家族の悲劇に直面して苦悩します。
ソーニャ
ロストフ家の親戚 献身的な性格
ロストフ一家がモスクワから避難する際、一家の財産を守るために献身的に行動します。ナターシャがアンドレイとの婚約を破棄した際も、友人として彼女を支えます。しかし、彼女の長年の愛の対象であるニコライ・ロストフが、家の財政を立て直すために裕福なマリヤ・ボルコンスカヤとの結婚を決意した際、自身の愛を諦めます。ソーニャはニコライの選択を受け入れ、ロストフ家のために尽くす立場を最期まで貫きます。彼女の献身的な態度は変わらず、自己犠牲的な愛を体現します。
ペーチャ
ロストフ家の末子 戦争に憧れる少年
軍への参加を熱望し、ついにパルチザン部隊に加わります。年少ゆえの無邪気さと勇敢さで戦場に身を投じますが、激しい戦闘の中で命を落とします。彼の死は、戦争の悲惨さと、若い命が失われることの無意味さを象徴しています。
■ベズーホフ家
ピエール
純粋で思索的な莫大な遺産相続人ナターシャの苦悩を目の当たりにし、アナトール・クラーギンに激しい怒りを覚えます。モスクワ陥落の際には、ナポレオン暗殺を企て、その途中でフランス軍の捕虜となります。捕虜生活の中で、質素な農民プラトン・カラターエフとの出会いを通じて、人生の意味や精神的な平穏を見出します。戦争の悲惨さを身をもって体験し、大きく内面的な変革を遂げます。
■クラーギン家
エレーヌ
社交界の華、美貌の女性
ピエールとの結婚生活が破綻し、別の男性との再婚を画策しますが、最終的には謎の病によって命を落とします。彼女の死は、貴族社会の表面的な虚飾と退廃の象徴として描かれます。
アナトール
ナターシャを誘惑した後、戦場に赴き、ボロジノの戦いで重傷を負います。負傷兵として収容された先で、アンドレイと再会し、お互いに過去の確執を乗り越える状況に置かれます。戦場で片足を失い、無残な姿となり、生き残ります。
■ドルベツコイ家
ドルベツコイ夫人
息子のためなら手段を選ばない母親
息子ボリスが裕福なジュリー・カラージナと結婚し、経済的・社会的な安定を得たことで、彼女の長年の目標が達成されます。これにより、彼女は息子をめぐるこれまでの苦労から解放され、安堵します。彼女の活動は物語の冒頭ほど目立ちませんが、息子の成功という形で報われます。
ボリス・ドルベツコイ
立身出世を志す、野心的な青年貴族裕福なジュリー・カラージナとの結婚を果たすことで、その野心を達成します。これは彼が追い求めてきた社交的な地位と経済的安定を手に入れるための結婚であり、愛よりも計算が優先された結果です。結婚後も軍務を続け、より高位な地位を築いていきます。彼は戦時下においても、自分の利益を追求し、貴族社会での成功を収めます。
