コロナと潜水服(奥田英朗 著) | ゴルフ4年目⛳目指せ ボギーオン 100%

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☆☆☆☆

コロナと潜水服

奥田英朗 著

光文社

 

ここの所、漫画のレビューが多くなっていますが...久しぶりに小説のレビューです。残念ながらミステリーではなくファンタジーですが。

 

 

コロナと潜水服: 帯、裏表紙に書かれた説明

 

キラキラ 小さな救世主、現る――。

コロナ禍の世界に贈る愛と奇想の奥田マジック

 

キラキラ あなたのしあわせ、って何ですか?

・ある理由で家を出た小説家が、葉山の古民家に一時避難。生活を満喫するも、そこで出会ったのは……「海の家」

・早期退職の勧告にも応じず、追い出し部屋に追いやられた男性が、新たに始めたこととは……「ファイトクラブ」

・人気プロ野球選手と付き合うフリー女性アナウンサー。恋愛相談に訪れた先でのアドバイスとは……「占い師」

・五歳の息子には、新型コロナウィルスが感知できる?パパがとった究極の対応策とは……「コロナと潜水服」

・ずっと欲しかった古いイタリア車を手に入れ乗り出すと、不思議なことが次々に起こって……「パンダに乗って」

やはり、奥田英朗はファンタジック

 

 

 

コロナと潜水服: レビュー

 

キラキラ 2020年12月に刊行された本。表題作を含む5つの短編ファンタジーが収録された本です。

 

 

キラキラ ▶ 海の家

49歳の小説家・村上浩二。妻の浮気、ひと夏だけ家を出て、葉山の貸別荘(築90年、秋には取り壊し予定)に。別荘に引っ越して1週間、家の修繕・庭の草刈り。六歳ぐらいの男児の気配。戦時中に破傷風で亡くなった男児の話を、近所の女性から聞く。編集者が撮った写真に男児が写っていた。海辺で爆竹をするヤンキーにからまれて、殴られて心肺停止に。病院で目覚め、娘から「男児が駆け込んできて、浩二が倒れたと聞いた」と...。おぉ~、怖がらせるのではなく「ハートウォーミングなファンタジー」ですね。

 

 

キラキラ ▶ ファイトクラブ

読む前にタイトルから想像したのは、テレビのバラエティ「ガチンコ ファイトクラブ」と、洋画の「ファイトクラブ」でした。46歳の家電メーカー会社員・三宅邦彦はリストラ対象となり追い出し部屋に。警備員の真似事をさせられるが、衰えた体力で走ることもままならない。倉庫に放置されていた運動具(縄跳び、鉄アレイ)を発見する。定時後に筋トレ、サンドバッグ打ちを始めるように。嘱託のボクシングコーチに教えを乞うことに。夜間警備で、銅線泥棒と遭遇し...。うぅ~ん、これも結果オーライな(?)「勇気づけられるファンタジー」ですね。

 

 

 

キラキラ ▶ 占い師

入団3年目でブレイクした野球選手・田村勇樹。田村の恋人で、フリーアナウンサーの浅野麻衣子。絶好調の田村の活躍、田村に群がる女性の影を心配する麻衣子。竹下通りにある店に占い師・鏡子を訪ねて、恋愛相談する麻衣子。その後、スランプに陥る田村。田村の成績がもとに戻るように占い師に依頼する麻衣子。オールスターで3連続ホームランとファインプレーをする田村。人気女子アナと田村が週刊誌にスクープされる。三度目、占い師を訪問する麻衣子...。お、お”っ!? そぉなりますかぁ~、ジェットコースターみたいな「アップダウンファンタジー」ですね。

 

 

キラキラ ▶ コロナと潜水服

35歳の会社員・渡辺康彦の息子・海彦は不思議な力を持っていた。海彦の勧めで、長野の母親は外出を取りやめる。その後、長野の母親が参加するはずだったコーラスサークルで新型コロナのクラスターが発生。近所の公園の遊具を前にして、康彦が使うことを反対する海彦。その後、近所で新型コロナの感染者が出る。ソフトウェアの講習を受けるが、狭い部屋で担当者はマスクなしで大声で飛沫を飛ばす。帰宅して息子に「近づいちゃダメ」と言われ...。コロナに罹ったか疑わしい人が読んだら「むむむ」っていう内容ですが、コロナなんて大丈夫って思っている人たちが読んだら「微笑ましい感じのファンタジー」ですね。

 

 

キラキラ ▶ パンダに乗って

55歳の広告会社社長・小林直樹が、古いイタリア車(フィアット・パンダ)を手に入れて、新潟まで取りに行く。帰りは高速道路を使って、東京にっと思ったらカレー屋・サーキット・新潟大学・デザイン事務所へとナビが案内する。案内された場所は、以前パンダのオーナーが通っていた場所ばかり。その後も、ゆかりの場所へと案内されて...。何というか、優しい気持ちになれそうなファンタジーですね。

 

 

キラキラ 5つの短編、すべてハートウォーミングなファンタジーで心温まりますね。今は不遇でも未来に希望を持ちたいと努力している人、不思議な物語を読んで自己逃避したい方、ファンタジーが好きな方、にはお勧めの本です。