障害ジョッキー達の矜持でしょうか | 競馬ブック いろんな話もしよう

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 だから〝絶対王者〟なんだろうとは思いますよ。
 ただ、休み明け、ぶっつけで挑むことになった今回は、さすがにチラッと不安がよぎらないこともなかった中山グランドジャンプのオジュウチョウサン。
 それが終わってみれば大差のレコード勝ちだってんですから。繰り返しになりますが、だから〝絶対王者〟なんでしょう。唖然とするばかりでした。

 でも道中。昨年暮れの中山大障害と同様に、いや一騎打ちの様相ではなかった分、ある意味、もっと面白い内容になりました。
 アップトゥデイトの林満明騎手は今回も積極果敢に攻めましたが、大竹柵の飛越に向かうあたりでマイネルクロップの山本康志騎手が、「そんな簡単には行かないよ」とでも言わんばかりに2番手のオジュウに外から併せていき、大土塁のところではクランモンタナ=熊沢重文騎手が「ええ加減にしよか」みたいに並びかけ、それを見ながら追走していたニホンピロバロン=白浜雄造騎手、ルペールノエル=高田潤騎手らが笑いをこらえるよう(?)に狙い済まして進出し、更に後ろに居たシンキングダンサー=金子光希騎手も手応え良く勇んで追撃を開始…。

 〝絶対王者〟を向こうにまわしてのそれぞれの思惑が感じられ、目が離せないというのか息が詰まると言いますか。それこそ「何か起こるんじゃないか?」と緊張しながらレースを追うことができました。
 それはすなわち、他の馬達の、そして騎乗したジョッキー達の勝負に向かう姿勢、考え方というんでしょうか。本気で「俺たちが障害レースを盛り上げてやる」みたいな意気込みが感じられて、清々しくもありました。
 そのうえでの圧勝劇ですから。感動の度合いは、いや増しますよ。

 それにしても、今更ながらオジュウチョウサンに驚かされるのは、4000m走ってラストの1fを12秒台で上がっていそう(一説では11秒9とか?)なところ。レースの上がり3fも36秒9です。
 なんか無茶を承知で、天皇賞・春とか有馬記念とか、走ってみたらどうなるんだろう?と思ってしまう所以です。
 今年のトレンドは〝二刀流〟ですけど、やっぱり無茶か…。でも、そんな想像までかきたてるスーパースターであることは確かでしょう。

 皐月賞でも、そういうニューヒーローが飛び出しますか。
 早朝からお天気が荒れ模様だったのでお客様の出足が鈍く、10時現在で前年比68,7%の入場者数ですが、今は雨も上がり、稍重の馬場も回復に向かうでしょう。
 お近くの方、是非是非。