戦前は桜花賞を圧勝したアーモンドアイの唯一の心配点は、父がロードカナロアなので2400㍍の距離は長いのではないかの1点でした。私自身は桜花賞の時点から、よりオークス向きと思っていました。その根拠は第一にロードカナロア自身が血統的には1200㍍中心の典型的な短距離血統ではないことです。160)~2000を最も得意とする血統です。おそらくロードカナロアの場合はロードカナロア自身の精神的な面が短距離向きであったと思います。またアーモンドアイの母フサイチパンドラは2200㍍のGⅠエリザベス女王杯勝ち、2400㍍オークス2着と2000㍍以上で実績のある馬でした。これらよりアーモンドアイは2400㍍でも大丈夫、いや得意ではないか、そのように思っていました。オークス出走全馬が2400㍍未経験の最も長い距離を今回経験となります。そうなるとどうしても前半スロー気味とペースはなります。そうなることによりより距離適性は微妙なものとなります。2400㍍得意な血統背景の馬より、少し短い距離に適性がある馬が血統的には最有力馬とオークスではなると思います。その観点からもアーモンドアイが勝たなければ誰が(どの馬)勝つ。そのような思いで戦前は見ていました。
実際のオークス人気は1.7倍でアーモンドアイが抜けた1番人気。2番人気が4.1倍のラッキーライラックとなっていたので、頭二つくらい抜けた1番人気でした。3番人気が5.5倍でサトノワルキューレ、2000㍍のフローラステークス勝ちでアーモンドアイとまだ対戦していない未知の馬(勝負付けが終わっていない)といったところで3番人気となっていました。以下4番人気が桜花賞3着のリリーノーブルで12.3倍、5番人気が2000㍍忘れ名草勝ちのオールフォーラブで24.7倍となっていました。人気の傾向としてはアーモンドアイが抜けた1番人気、2番人気と3番人気は4.1倍と5.5倍なのでさほど差のない人気となっていました。この2番人気、3番人気の単勝馬券を買った人は、もしアーモンドアイが負けるとすれば、勝つのはこの馬との解釈で買った人も多かったと思います。競馬はなにが起こるかわかりません。強いと思われていた馬が負けるのが競馬です。逆にいえばそのような事故的なことがないかぎり1着はアーモンドアイで仕方ない、そのように思われていました。
実際のレースはアーモンドアイが桜花賞とは違い、道中5,6番手を進んでなおかつ上がり3Fを33.2秒とメンバー最速で、次位が33.9秒なので0.7秒も速いタイムで上がってきました。まさにテン良し、中良し、仕舞い最高に良しの競馬で完勝しました。凱旋門賞に行ってほしいと思わせる素晴らしい内容の競馬でした。走破タイムも2:23:8秒ととても優秀なものでした。2着が馬番1番のリリーノーブル、3着が馬番2番のラッキーライラックと桜花賞の2着、3着が入れ替わっての着順で入線してきました。内枠を活かしてロスの少ない競馬をしました。勝ったアーモンドアイとは力の差はこの時点では相当あったと思います。秋までにどれだけ力をつけるかです。3番人気していた未知の魅力馬サトノワルキューレは道中は7,8番手とアーモンドアイのすぐ後ろを走っていました。しかし上がり3Fのタイムが34.3秒でアーモンドアイより1.1秒も遅いものでした。その結果6着でした。この馬もアーモンドアイとは力の差は相当あります。もし秋までに相当力をつけたとしても2,3着した馬に追いつけるかどうかのレベルの馬だと思います。このように上半期の牝馬クラシック路線はアーモンドアイ1頭が抜けた存在で、その力も過去の名牝に匹敵すかそれ以上の馬と考えられるまことに素晴らしい馬であることが立証されました。是非秋には凱旋門賞に挑戦してほしい馬です。
それでは 皆さん GOOD LUCK(TY)