菊花賞回顧 | 競馬ブック CPU泣き笑い 

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 勝ちタイムが従来のレコードタイムより1.7秒も上回る3.01.0秒でした。今の京都の高速馬場を考慮しても、非常に速いタイムです。3歳限定の長距離となると、どうしても前半、中盤の道中は、脚を溜めることに主眼がおかれ過ぎ、スローになることが非常に多くあります。今回はそうはならず、前半、中盤も長距離にしては、速いペースで進みました。それがレコードタイム決着となった最大の要因です。もちろんそのタイムで走れる馬の力があったことも、要因です。今回の菊花賞が私の中では本年ベスト1の質の高いレースでした。私の自論としては、スピードが落ちない最速の、速くなったり、遅くなったりしない、速い平均ペースで走ることが、最も速く走れる走法です。今回はその理想に近いペースで、レースが進みました。そうなると距離損につながる外目を走ることは致命傷となります。また中団より前の2番手から5,6番手が理想です。(理由は急な加速をしないで、ついていける位置なので)この私の考える理想の走りを最もした馬が、勝ったトーホウジャッカルです。前半、中盤の道中は、5,6番手の内でじっとしていて、最後の直線に入る時に2番手となり(無理に2番手ではなく、下がる馬がいての)その直線も確りのびて(速度を減速せずに)1着となりました。私の理想とする走りをした本年NO1ホースが勝ったトーホウジャッカルです。2着もトーホウジャッカルと同じようにレースを進めていたサウンズオブアースが入りました。直線では一旦トーホウジャッカルに並びかけましたが、またトーホウジャッカルに差し返され、半馬身差の2着となりました。トーホウジャッカルとの差は道中の位置どりの差です。トーホウジャッカルが5,6番手の内目を進んでいたのに対して、サウンズオブアースは8~10番手でした。(この馬も内目)それが前半3Fのタイムに現れていて、トーホウが37.5秒、サウンズが37.9秒です。やはりこの位置どりの差が1着と2着の差です。サウンズオブアースが前を進むトーホウジャッカルを交わそうとすると、より加速しなければいけません。上がりの加速の速さが同じであれば、前に位置した馬の勝ちとなります。単純計算では、サウンズがトーホウに対して0.4秒(前半の差)速い脚を使わないと、同着まで持ち込めません。トーホウジャッカルの前後半3Fが(37.5-34.5)、サウンズオブアースが(37.9-34.4)で0.1秒しかトーホウに対して、サウンズは速い脚を使えていません。やはり前に位置することは、それだけアドバンテージがあると言えます。しかし2着のサウンズオブアースもまた非常にいい競馬をしたことには間違いありません。一つ上に勝ったトーホウジャッカルがいただけです。それと1番人気で単勝オッズが2.4倍であったワンアンドオンリーですが、私が考える敗因を列挙すると

1.レース前の入れ込みによる発汗が他馬に比べて非常に多かった。

 (スタミナのロス。精神面での不安)

2.出負けして、出していったが、外目を回り、距離損があった。それとそのポジションをキープするのに精一杯でスタミナをロスした。

3.やはり母系がブルドメアがタイキシャトル、またその母系もダンチヒが入っていました。やはり今回のような長距離の資質が問われるレースでは苦しい。

(血統的には長距離適性無し)

このようなことが考えられます。この菊花賞は前半がスローで流れると、マイルのような競馬になってしまうケースが過去に多々ありました。(所謂直線ヨーイドン)今回はそうはならず、真の長距離資質が問われ、尚且つ速く走ることが要求されるレースとなりました。

10月5日に行われたフランス凱旋門賞を見た後は、日本馬はまだまだこのレース(凱旋門賞)は勝てないと思いました。しかし今回の菊花賞を見て、いやそうではない、明るい希望がある。そう思える真に感動するレースでした。

追記

トーホウジャッカルに騎乗の酒井学ジョッキー。本当に素晴らしい騎乗でした。もう古い話しですが、田島良保騎手(当時)が日本ダービーでヒカルイマイで優勝した後のインタビューで、僕はダービーに乗ったのでない、ヒカルイマイに乗りました。それに匹敵するぐらいの清清しい、レース後のインタビューの受け答えと内容でした。天晴れ酒井学ジョッキー。


それでは  皆さん   GOOD  LUCK(TY)