桜花賞回顧 | 競馬ブック CPU泣き笑い 

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 ペースとしてはレース前半3ハロンが34.8秒、後半3ハロン36.1秒と明らかにハイペースでした。この日のこのレースの馬場(発表は良馬場でしたが、1600芝でタイムで0.5から1.0秒ぐらいは通常の良馬場よりはかかる馬場であったと思います。)としては前半34.8は限界を超えたハイペースです。


この日の4Rに同じ1600芝がありました。下位条件である。レースが午前中で少し11Rの桜花賞よりは馬場が悪い。そのようなことも考慮しながら考えます。このレースでのレースペースは前半3F35.7秒。後半3Fが35.2秒でした。勝馬の前後半が前36.9秒ー後34.5秒でした。勝ちタイムは桜花賞より0.3遅い1.35.3秒でした。前半35.7でも速く。このレースでは前半36.9秒の馬が勝馬となっています。


よって桜花賞の前半3F34.8秒について行った馬は(前半、中盤で前に位置した馬は)全てオーバーペースとなり、失速しました。桜花賞G1はよくこのようなペースになります。少しでも前に位置したい気持ち(ゴールに近づきたい気持ち)が強いのでしょう。しかし勝ち負けできる位置はもっと後ろです。(後ろでジッとです。)


一番人気であったクロフネサプライズは、スタート後サッと2,3番手がとれず、7番手の位置取りでした。そしてそこから外を上がって行き3角2番手となり、4角先頭でした。この前半34.8秒のハイペースを道中このような経過で上がっていきました。逆に控えるのが正解なのに、真逆の作戦となり、前走、前々走の強い強いクロフネサプサイズでも失速しました。馬も行きたがり、抑えられなかったのでしょう。馬体重が前走よりマイナス8Kと究極の仕上げでした。このあたりも異常なハイテンションの原因かもわかりません。先ほどの4Rで勝ったのが同じ武豊騎手です。そのレースでは前半、中盤ともに9番手からの競馬で直線差し切りでした。クロフネサプライズの競馬をしようとしての結果なのか、わかりません。少なくとも阪神1600芝では、直線までできるだけ脚をため、なお且つ追い出しを遅らさないと、最後の坂で失速する。この定説は十二分知っての騎乗であったと思います。名手武豊騎手にしても、桜花賞G1は特別なものなのでしょう。桜花賞に乗ろうとするあまり、クロフネサプライズにも、阪神芝1600にも結果乗れていませんでした。


まったく逆のパターンになったのが、1着したアユサンです。この馬の前半3ハロンが35.4秒で後半が35.5秒でした。前後半同じぐらいの私が推奨する最もよいペース(最も速く走れる)の競馬となりました。前半が4番手。そこから行きたい馬を行かせ、自身はじっとしていました。3角では9番手、4角10番手まで下がっていました。丸山騎手の前日負傷により、急遽の騎乗でした。桜花賞を考えるよりも、アユサンにどのように乗ればいいのか、おそらくそのことで一杯であったと思います。道中は自身のペースを頑なに守り、回りを一切見ない、集中した騎乗でした。直線も最初さほど追わず、ゴール前の坂あたりより、2着したレッドオーヴァルが先に追い出した後から差し返すように、渾身の追いで、一着しました。阪神1600芝はこのように乗れば勝てる。まさにそのようなレースでした。クリスチャン・デムーロ騎手はまさしく桜花賞に乗ったのではなく、アユサンに乗りました。(阪神1600芝にも乗りました)


ちょっと余談になりますがこのフレーズで思い出されるのが、田島良保騎手(現調教師)のダービーでヒカルイマイに騎乗して1着した後のコメントです。


僕はダービーに乗ったのではなく、ヒカルイマイに乗りました。(当時新人のジョッキーであった田島騎手がヒカルイマイのことだけを考えて騎乗した。そのことを表現した名コメントです。この言葉を聴いた当時。私高校2年でした。妙に感動しました。このフレーズが私の将来を決定したのかもわかりません。)


天晴れクリスチャン・デムーロ。兄ミルコ・デムーロ騎手以上の日本での活躍も出来るのではと思わせる好騎乗でした。他の馬にもいろいろとありますが(書きたいこと)今回はこの2頭(2人)としておきます。


それでは  皆さん  GOOD  LUCK (TY)