佐々木正悟 マイコミ新書 780円

 本書は「脳のマニュアル」。自分自身の脳が、どのように働いているかを知ることによって、自分の脳をもっと有効活用しようという試みである。それは決して「脳」だけでなく、「脳」の働きに左右される全ての自分の行動にも影響を及ぼすことなのである。例えば「ダイエットをしているが長続きしない」というようなことが誰にでもある。続かない原因を「意思の弱さ」としてしまうことは多いもの。そのような精神論として片付けてしまうのではなく、脳の作用に着目しようという提言がなされている。「軽い読み物」として、さっと読むのはいいかもしれない。脳の特性を理解することは、仕事、人付き合い、勉強など、人生のあらゆる局面において影響を及ぼすことなのである。 ★★☆☆☆

田中秀征 ダイヤモンド社 1600円

 リーダーの資質を「判断力と決断力」の視点から問いかけている。小泉前総理の政局における決断力を文献や証言をもとに記述されており、類まれな決断力を兼ね備えた小泉氏に焦点を絞ることで、真のリーダー像を解き明かそうとしている。体系的に書かれた本ではないが、詳細なエピソードや、それに基づく分析により、判断とは?あるいは決断とは?どのようなことを具体的に伝えてくれる。あくまでも読み物として、興味があればサラりと読んでみるくらいの気持ちで手にとってみるのが良い本である。 ★☆☆☆☆

小山昇 河出書房新社 1300円

会社経営とは決定の積み重ねである。例えば「黒字」とは結果ではなく「決定」である。まず最初に「黒字」にすると決定した上で、どのようにしたらその目標を実現化できるのかと思案し、計画し、実行する。そして現実となったものが「黒字」であり、すなわちそれは「決定」なのである。「まず」決定することが非常に重要である。早く決定された事柄には間違いもあるがそれらは行う過程で修正を加えていけば良いだけである。本書のポイントはズバリ的を得ているのだが、ポイントが明確な割りに読み終わった後に何か物足りないような気になるのが、事例が著者の会社での出来事を具体的に書きすぎており、一般化できていないところに原因があるのかもしれない。一読の価値アリとは言いにくい一冊である。 ★★☆☆☆

大橋悦夫 佐々木正悟 日本実業出版社 1500円

 個人としてではなく、チームとして仕事のスピードを上げる、これが「チームハック」である。人は他人の存在(目)があることで、頑張れることがある。一人では甘えがちな心理を、他人の存在を利用してうまくコントロールするのである。「ハック」シリーズの他の本に比べて、実用性に乏しい。なぜなら、自分自身の「やり方」を変えるのは簡単であるが、他者が絡むとそう簡単にはいかない。さらには、各々組織によって、仕組・習慣・文化等といったものが異なるからである。予定管理の仕方、会議の仕方、連絡の仕方などは独自のものがあり、それらを簡単に変えることは難しい。随所に良いことは書かれているが、導入・運用できるかどうかはあまり期待しない方が良いであろう。 ★★☆☆☆

大橋禅太郎 大和書房 1400円

 会議というのは往々にして時間を食いつぶし、何も生み出さない無駄な存在である。本書は会議を効果的に行うために具体策を記した本である。しかし、よくあるTip集とは異なり、12のポイントに要約された策は人と人が協働する際に成果を出すための秘訣であり、つまり行く着くところ「組織運営」と同じである。副題に「短期間に会社が劇的に変わる」とあるが、これは本書が会議だけに特化した本ではなく、会議を通じて、組織がいかにして成果をあげていくか、ということを突き詰めている証拠でもある。成果を上がる会議にしたい方、あるいは会社等の組織として結果を出したい方にはお勧めの本である。★★★★★