『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』佐藤悦子著 | 三宅エミのライターズノート

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ライター&アーティスト目線で、ゆる〜く記します。

サムライ・ブルーの新たな歴史の構築まで、

あと一歩でした。

日本時間で丑の刻に放送されたのにもかかわらず、

瞬間視聴率が42%超えは、すごいです。

さすがW杯16強の日本代表戦。

午前中のBS放送で改めて、

サムライの勇姿を目にやきつけました。



さて、サムライといえば、

ユニクロのロゴや、国立新美術館のマークほか、
 
数々のデザインが話題を集めている、

アートディレクター佐藤可士和さんです。


独立起業する際に、

サムライという会社名をつけたのは、

お名前の「士」が英語にならないから、

とのことで、

日本を代表するクリエイティブ活動への心意気が感じられました。



そんな佐藤可士和さんと、

独立事務所のサムライを、

公私ともパートナーの佐藤悦子さんが、

ブランディング、プロデュース、マネージメントしたのだと風の噂に聞き、

興味を覚えました。


『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』は、

10年以上も前(2007年)に刊行された本ですが、

独立起業当初のことが詳しく書かれているので、

「アートディレクター佐藤可士和」さんと、

「サムライ」をブランディングするために、

どのようにマネージメントし、

プロデュースされたのか、

よく伝わります。



マネージメント力に優れた才媛が、

ご自身とは真逆な才能に対して、

敬意を抱いて、深く理解されたからこそ、

生まれたサムライの作品群なのだと、

理解できました。



印象的なのは、

業界内の有名人と一般にも知られる有名人は、

へだたりがあると心得、

メディア露出もサムライ作品の一部、

印象がクオリティを表す、と、

徹底してイメージコントロールされたことです。


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(ドラマ『SUITS』の会議室、書類管理箱に、似た景色で、よりシンプルな印象を受けました)



また、客観的で冷静なマネージャーは、

オフィス環境づくりにも敏感に対応し、

作品のクオリティをあげるために、

状況をみながらスタッフ数を増やして、

オフィスを広げられました。


デザイン会社のオフィスは、

空間作品となるため、

インテリアデザインに投資も必須。

そうしてオフィスを引っ越すたびに、
 
会社が扱う仕事規模も拡大したそうです。



読んで気持ちがよいぐらい、

敏腕なマネージメントぶりが発揮されていて、

著者に似たロボットマネージャーが、

あったら欲しくなりましたよ。



本書から約10年を経て、

さらに時代を牽引する代表的作品を発表される、

デザインのサムライたちに、

ますます注目ですね。