『マラン・マカン』

 古内一絵

 中央公論新社 20151125


夜になると気まぐれに回転する「マラン・マカン=夜食」という名のカフェには、それぞれに悩みや屈託を抱える人びとが集い、身体にも心にも美味しい料理を振る舞われる──。



「女性の輝く社会。安心して子育てのできる環境。女性の活躍、女性の躍進、云々。

 様々な言葉でどれだけ表面を飾り立てて見せたところで、21世紀の今も、社会の本音は遠い昔からさして変わっていない。

 働け、産め、出しゃばるな──。

 現実に直面すればするほど、露骨な本音が見えてくる。」

-p. 115



春のキャセロール

金のお米パン

世界で一番女王なサラダ

大晦日のアドベントスープ


4つのお話からなる連作短編集。


優しい、美味しい、温かいだけでなく、社会派なのも魅力的。


女性と男性の性別役割分業や、正規雇用と非正規雇用、元請けと下請けの二重構造など、考えさせられる要素が満載、身につまされるところも多い。



実は何年も前からインスタで見かけて気になっていたが、間違えて


『マカロンはマカロン』

近藤史恵


を借りてしまい、すっかり三船シェフの虜に(こんなのばっかり。字、読めよ〜)。


その後も気になってはいたけれど、ダイエットをはじめたこともあり、美味しそうな作品からは遠ざかってしまって今回ようやく勇気を出して手に取ったが、読んでみるといたずらに食欲が亢進されることもなく、


「身体の求めるものを健康的に食べよう」


という気持ちになれる一冊だった。


古内一絵先生はこの作品が(多分)はじめましてたが、とても読みやすくかった。4作目まで出ているようなので追いかけたい。